「水電池NOPOPO」をナカバヤシが発売する理由 | 日本のお姉さん

「水電池NOPOPO」をナカバヤシが発売する理由

大反響を呼んだ「水電池」をナカバヤシが発売する理由--以前からあった発想を本格化
加納恵 (編集部) 2011/07/13 06:00
 アルバムや事務用品などを手がけるナカバヤシが、水を入れると発電する「水電池 NOPOPO」の販売を発表した。

東日本大震災を受け防災意識が高まる中、水電池の存在は大きな反響を呼んだ。「水があれば発電できる」「約20年の長期保存が可能」という、従来の電池とは異なる特長を持つ水電池 NOPOPO。

ナカバヤシが販売に至るまでの経緯を広報室の橋詰ゆかり氏にお伺いした。
--6月24日に発表された水電池 NOPOPOですが、発表後の反響はいかがですか。

「水電池 NOPOPO」単3形3本パックが630円、100本パックが2万790円
橋詰氏: メディアや取引先の方から「水電池とはどんなもの」という問い合わせをはじめ、非常に大きな反響をいただきました。

実は水電池自体は、2009年秋から弊社のグループ会社である「ミヨシ」で少量ながら扱っており、今回ナカバヤシで本格的に取り扱いを開始させていただいた商品なんです。


 ただ、東日本大震災による防災意識の高まりと、販売するのであれば環境に良いものを、というコンセプトは社内の中で前々からありました。

プラス側に2つの注水口を用意。専用のスポイトを使って水を入れる
--アルバムや事務用品などのイメージが強いナカバヤシが電池を販売するのは意外な感じがしました。


橋詰氏: もともとパソコン用品や電話ケーブルなど、オフィスの周辺機器も取り扱っており、水電池 NOPOPOは周辺機器の位置づけです。製販カンパニーというアルバムや事務用品を手がける部署が取り扱っています。


 そのため新規事業としての位置づけではなく、周辺機器アイテムが増えたという感じですね。事業を拡大していくというより、普段からお付き合いのある文具店さんなどに置いていただくアイテムの一つとして提供していこうと思っています。
--水電池の特長について教えていただけますか。

水電池nopopo付きAM/FMラジオセット(店頭想定価格:1800円前後)
橋詰氏: 開発、製造は「日本協能電子」が手がけています。電池の中にマンガンとマグネシウムという2つの材質が入っており、そのあいだに仕込んだ活性炭に注入された水と化学反応を起こして電池として機能する仕組みです。
 水だけでなく水分であれば良いので、ジュースやビール、唾液でも発電できることが特長です。一回の注水は0.5~1ml程度。通常の乾電池に使用されることの多い水銀や六価クロム、カドミウムといった有害物質を含んでいませんので、使用後は不燃物として捨てられます。

水電池nopopo付きミニランタンセット(店頭想定価格:1300円前後)
 電池容量はマンガン電池と同様なので、あくまで非常時の緊急用電池という位置づけです。

LED懐中電灯や、AM/FMラジオといった低電力製品に向いており、AM/FMラジオやLED懐中電灯をセットにした商品も用意しています。
--開封しなければ約20年の長期保存が可能というのもすごいですね。


橋詰氏: 水を入れるまでは放電しないため、長期保存が可能になりました。ですから緊急時にしのいでいただく性格の製品だと思っています。ただ約20年保存できるので、1回購入すれば、しばらくは買い替える必要がない。そういう意味でも備蓄品の一つとしていただければと思います。
--販売計画はどのくらいを見込んでいますか。

水電池nopopo付きLED懐中電灯セット(店頭想定価格:1000円前後)
橋詰氏: 初年度の売上本数は100万本を想定しています。ターゲットとしては一般ユーザーの方はもちろん、法人や自治体といった大口需要もみています。


そのため3本パックのほか、大量に保存していただけるよう100本パックをそろえました。100本パックには単1、単2サイズの変換アダプタとスポイトが付きます。


 販売ルートは、弊社がもともと持っているホームセンターや文具店、カメラ量販店などを中心に取り扱っていただく予定です。ただ、先ほども申し上げました通り自治体などの大口取引も想定しています。


--水電池 NOPOPOは8月上旬から発売されますが、今後の展開は。
橋詰氏: 発表のリリースと同時に大きな反響をいただきました。弊社としても本格的な取り扱いが今回初になりますので、様子を見ながら取り組んでいこうと思っています。

今回の発表を機に単4形のお問い合わせなどもいただきましたが、現状でその予定はありません。

東日本大震災を受け、防災に対する具体的な備えをしている人が増えている時期ですので、そうした人たちに向け備蓄の一つとして備えておいていただければと思っています。


知らない人が多すぎる水電池NOPOPO

http://japan.cnet.com/interview/35005076/