メディカルコンシェルジュ倶楽部(MCC)・厚生労働省の「こんにちは赤ちゃん事業」
MCCでは、コンシェルジュが患者と医師の間に入って、さまざまなコーディネートサービスを提供する。具体的には、コンシェルジュが、患者が求めている医療内容や治療方法をヒアリングした上で、適切なパートナー医療機関に患者を紹介する。通常は患者が行う診察手続きと診察予約なども、間に入って代行する。
パートナー医療機関にとっては、▽患者からの待ち時間に関するクレームがなくなる▽経営が効率化されることで全体の収益が上がる―などのメリットが、医師にとっては、▽「治療」という医師本来の業務に専念しやすくなる▽事前に患者の情報(容体、症状など)を把握できるため、医師への信頼度がアップする―などのメリットがあるという。現在、MCCのパートナー医療機関は全国38病院で、今後も提携先の募集を続けていく。
一方、患者側(会員側)は有料になるが、「健康診断で再検査の必要があると言われた」「気になる症状がある」「家族が治療のことで悩んでいる」「予約方法が分からない」「待ち時間が気になる」などの相談に、コンシェルジュが対応してくれる。具体的には、▽電話による健康相談(受付時間は午前10時―午後6時)▽電話による医療機関の紹介▽総合相談医による専門医の紹介―などのサービスが受けられる。希望すれば、提携先以外の医療機関の受診も手配してもらえる。
患者側のメリットとしては、▽待ち時間と診察の終わりの時間が予測しやすく、ストレスが減る▽紹介状がある場合は初診日に検査も受けられるため、通院回数が減る▽セカンドオピニオンや高度先端医療の適否などもコンシェルジュを通じて相談できる―などがあるという。
家族会員は入会金1万2000円、年会費6000円で、会員本人と1親等の親族が利用できる(別居していても利用可)。法人会員は入会金20万円、年会費4万円で、従業員5人が利用できる。5人以上が利用した場合は、1人につき年会費8千円が追加料金となる。
問い合わせは、同研究所03(6278)5830
詳しくは同研究所のホームページで。
更新:2008/10/15 18:04 キャリアブレイン
2007年度スタートの「こんにちは赤ちゃん事業」は全国の1063自治体(全自治体の58.2%)が、04年度スタートの「育児支援家庭訪問事業」は784自治体(同42.9%)が実施している。同省は、未実施の自治体が両事業をスタートさせるときの指標づくりのため、今後も素案を基に各自治体との意見交換や有識者・実務者会議を重ね、年度内のガイドライン策定を目指す。
「こんにちは赤ちゃん事業」は、乳児がいるすべての家庭を支援することで、子どもの健やかな育成を図るのが狙い。同日示されたガイドライン素案によると、保健師や助産師らが育児の不安や悩みに関する相談に応じるほか、子育て支援についての情報提供も行う。また、養育環境を把握し、支援が必要な家庭には、提供するサービスを検討。市町村や医療機関との連絡調整も行う。
原則として生後4カ月までの乳児がいるすべての家庭が対象。ただ、事業への同意を得られない場合や、長期の里帰り・入院などで乳児が不在の場合は例外とする。訪問者は、保健師、助産師、看護師、保育士、母子保健推進員、児童委員などから人材を発掘して登用するが、特に資格要件は問わない。 一方、「養育支援訪問事業」では、養育支援が必要な家庭を保育士が訪問し、専門的な助言・指導を行う。 両素案とも、「個人情報の管理は徹底する」としている。更新:2008/07/14 20:22 キャリアブレイン
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厚生労働省は10月10日、「こんにちは赤ちゃん事業(乳児家庭全戸訪問事業)」と「養育支援訪問事業(育児支援家庭訪問事業)」のガイドライン策定に向けた第3回有識者・実務者会議を開き、今年夏に同省がまとめた素案に自治体からの意見を反映させた修正案を示した。
「こんにちは赤ちゃん事業」の修正案によると、同事業は生後4か月を迎えるまでの乳児のいるすべての家庭が対象で、対象乳児が生後4か月を迎えるまでの間に1回訪問することが原則。訪問者に関し、「訪問者の職種と実施内容については市町村の状況に応じてそれぞれ役割分担を明確にするなどの対応が望ましい」、訪問の実施方法については、「アンケート方式の導入や、項目によってはあらかじめ選択肢を設けるなど、訪問者が適切に報告できる様式を工夫することが望ましい」としている。また、「支援の必要性と訪問者」の項目では、「市町村の母子保健担当部署との連携の下、事前の情報を踏まえ、支援の必要性が高いと見込まれる家庭に対しては可能な限り保健師等の専門職ができるだけ早期に訪問する」とした。
一方、「養育支援訪問事業」の事業目的について、「養育支援が特に必要であると判断した家庭に対し、保健師・保育士等がその居宅を訪問し、養育に関する指導、助言等を行うことにより、当該家庭の適切な養育の実施を確保することを目的とする」、事業内容の一つである「乳児家庭等に対する短期集中支援型」については、「保健分野等他の専門的支援が必要となるときは、支援内容・支援方針を検討し、当該専門的支援を担う機関・部署のサービスにつなぎ、児童福祉と母子保健等複数の観点から支援を行う」とした。
出席した委員からは、「この事業が始まった経緯も盛り込むべきでは」との声が上がったほか、事業に従事する訪問者に関しては「フォローアップ研修が必要ではないか」との意見があった。事務局の相澤孝予・福祉指導専門官は「自治体との間に思っていた以上の考えの違いがあったが、今後さらに議論を深めていきたい」と述べた。
次回は12月上旬に開催予定で、同会議は年度内のガイドライン策定を目指す。
更新:2008/10/10 22:16 キャリアブレイン
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