糖尿病の猫 | 日本のお姉さん

糖尿病の猫

ノラ猫ちゃんを拾ったら口内炎のひどい猫エイズを煩っている子だった。

口内炎がひどくて、ご飯が食べられないので、痩せていて毛づやも

悪かった。

それで、一ヶ月に一度、ステロイドを注射して炎症を止めてあげていた。

薬が効いている間は口内炎は治まっていたので、

ご飯をしっかり食べることができて、見かけも健康そうになった。

ステロイドは副作用があるので、なるべく一ヶ月以上間をあけて使うように

医者から言われていた。猫の口内炎は治らない病なのだそうだ。

わたしの猫のPちゃんは、3年間、ステロイドを使った結果、副作用で

糖尿病を併発してしまった。医者は、ステロイドを使わなければ、

ご飯が食べられなくて衰弱してしまうから、ステロイドを

使うのは間違っていなかったと言ってくれた。口内炎の猫には

抗生剤を併用して菌の発生を抑えたり、自分で自分の体を攻撃しない

ような薬を併用したり、アルカリイオン水で菌の発生を抑えたり、

歯を全部抜いてしまうのも、効果があるとされているそうだが、

決定的にどの猫にも効果があるという治療法は無いそうだ。

Pちゃんは歯を全部抜いてから、少し口内炎がマシになった。

抗生剤も併用中。アルカリイオン水は、まだ実験中。

アルカリイオン水が嫌いな猫もいる。A猫ちゃんは、普通の水しか

飲まない。

Pちゃんは、去年の正月前にステロイドを注射しても、元気がなく、

ご飯を食べなくなって痩せてきたので、正月が開けてから病院に

連れて行った。血液検査をしたら、すぐ入院しないといけない

状態だった。

六日間入院して、インシュリンの量を決めてもらった。

糖尿病になった猫には、毎日飼い主がインシュリンを

注射しなければならない。

Pちゃんの場合は、朝6時にご飯を食べさせて7時にインシュリンを

注射する。

夜は7時にご飯を食べさせて8時に注射しなければならない。

インシュリンは薬瓶の中の液体の中で固まるので、手のひらで

ゆっくりころがして液を均等にする必要がある。

アルコールを浸したカット綿で瓶のフタのゴムを拭いて、注射器で

中の液を予定より多めに吸い取る。

中に入っている空気を指で軽くはじいて注射器の針の近くに集める。

中の空気を押し出して、決めたインシュリンの量が残るようにする。

針から液が漏れている状態になれば、注射器の針にキャップをして

猫を連れてくる。猫の背中の皮を3本の指でつまんで、地肌を出し、

肌をアルコールを浸したカット綿で拭いて、注射器の針をすばやく刺す。

ゆっくり刺すと痛いので、思い切りよく刺す方がいいそうだ。

その時、刺す方向が悪いと刺した針がまた皮を突き破って

外に出ている場合があるので、ちゃんと、針が体内に入っているか

指で皮膚の上から確認してから注射器の中のインシュリンを注射する。

皮を串刺しにしてはいけないということだ。ちゃんと、皮の中か

筋肉を刺してもいいから体内に注射しないといけない。インシュリンは

失敗したら、また注射しなおすわけにはいかないので、とにかく

針が体内に入るように刺してくださいと言われた。

使った注射針は捨てないで集めておいて病院に持っていく。

糖尿病になった猫の飼い主は、みんな自分で注射しているので、

あなたも頑張るようにと看護婦さんに励まされた。

注射しないと生きていられないのだから、仕方がない。

昨日は友達に頼まれてショッピングモールに車で行ったが、

糖尿病の猫を抱えているので、わたしは何もお買い物はしなかった。

自分の服なんかより、猫の方が大事だ。友達のお母さんが、

「あんた、もう猫を拾ったらアカンよ。」と本気モードで忠告してくれた。

ノラ猫を拾ってインターネットで里親さんを探してあげている人もいるが、

わたしは、そんな器用なことができないので、拾ったら全匹、自分で

最後まで面倒をみないといけない。Pちゃんは、本当は拾いたくなかった

のだが、見るたびに、疥癬(かいせん)が広がっていく姿が

痛々しくて、耐えきれなかったんだ。

Pちゃんは、誰かに飼われていた猫で、一生懸命、通行人に

甘えてご飯をおねだりして生きていた子で、猫エイズで

口内炎持ちで、おまけに疥癬(かいせん)で顔とおでこと耳を

やられていた。見るからに具合が悪そうな猫で、病気持ちだという

のは最初から分かっていた。

疥癬(かいせん)だけは、飲み薬で直ぐ治った。

飼い猫を捨てるのはかわいそうだから本当に止めてほしいと思う。

昔の猫は自分でネズミを捕って生きていたのかもしれないが、

今の猫は食べ物が無いから人間にエサをもらうしかないもんね。

Pちゃんは、3年間、わたしの家でご飯を食べて、どの猫よりも

ベタベタ甘えて、幸せに過ごしていたんだ。糖尿病になってしまったが、

薬でもうちょっと長生きできるならそれでいいかなと思う。

今日は、ちゃんと注射ができているか、病院が確認しないといけない

そうで、会社に行く前にPちゃんを病院に連れていかねばならない。

夜は会社から帰ったら、また病院にPちゃんを受け取りに行く。

病院は、8時半からなら看護婦が来ていて受け取ってくれるそうだ。

3連休の後に遅刻はキツイが、神さまにお祈りしてから会社に

連絡する。インシュリンの量が適正でないといのちに関わるから

仕方がない。インシュリンが効き過ぎても低血糖になって

倒れてしまうそうだ。人間も糖尿病になったら大変なんだろうなあ。