DVDでPROMISEを観た!(ネタバレギリギリ) | 日本のお姉さん

DVDでPROMISEを観た!(ネタバレギリギリ)

真田弘幸とチャンドンゴンが出ているので、「どうせ変な映画だろう。」と


思いながら観てみると、たしかに話しは大人の童話という感じで残酷な


場面も多くて変なのだが、同時に変にロマンチックでおもしろいのだった。


ついつい引き込まれてしまった。


真田弘幸が一番普通の感覚の人間らしい人間を演じていた。


豪快だがあきらめも早く、さっぱりした性格で愛のために卑怯な事を


したり愛のために死のうとする。日本人に演じさせようと中国人の監督が


考えたのはおもしろい。中国映画らしく、主人が奴隷を殺す場面とか、


いつまでも人をうらんで復讐する話しや、ウソで騙して殺し合うひどい場


面が満載なのだが、(子供には見せられないかも。)


一人の女性の前で死闘を繰り広げる男達の姿が壮絶で美しいのだ。


わたしが変なのかもしれないけど、主人公の女性が自分だったら、


自分のために男達が戦う姿を観るのは、女冥利に尽きる。


辛くて悲しいと同時にゾクゾクするような快感だろう。


一度経験してみたいような光景だ。


男達がすばらしい女性を取り合いして争うというのは、きっと昔から


どこかで繰り返されてきた事なのだろう。


主人公の女性が、中国人らしく気が強くて、偉そうにしているのが


かわいい。つんと取り澄ました女性の愛を得ようと男達がそれぞれの


愛を表現し合って争う。こんな風に、女性は男性をあしらって、自分を


高く見せないといけない。男は簡単に手に入らない女性にあこがれを


持つものらしい。結婚するならそつなく家庭的な女性を選んで子供を


育てるのが正しい選択だと思うが、魅力的な女性はどこか欠点も


あるので、ご主人のフォローが必要だ。はっきり言って欠点の無い人間


なんて無いので、お互いが助け合ってベイビーを育てるしかないのだ。


でも、一生に一度は身を焦がすような現実離れした情熱的な恋がしたい


という願望は、みんなの心に存在するものだと思う。


幸か不幸か、命をかけるような恋ができるのは、本当に少数しかいない。


そんなに命をかけるような恋などできるものではない。


一度そんな恋をしたら、7年ぐらいは再起不能だ。


へたすると10年ぐらいは軽くひきずってしまう。そんな厳しい恋は


映画の中だけでいいのだ。一般人は映画を観て、ロマンチックだなと、


うっとりするぐらいでいいのだ。PROMISEは、現実離れした中国の


おとぎ話だけど、選ばれた人しか味わえない悲惨で壮絶だが、それ故に


ひたすら美しい、命をかけた愛を観て楽しめる映画だ。


観ている方は命をかけずにそういう雰囲気を楽しめる。


ちょっとCGがマンガみたいなところがあるが、登場人物が敵でさえも


美しく、中国の伝統の武術があちこちにちりばめられていて、ほれぼれ


するような動きがある。こういう中国の武術を美しく見せる映画は


大好きだ。一緒にDVDを観ていた友達は居眠りしていたが、わたしには


楽しい映画だった。真田弘幸は、DVDのおまけのメイキングのシーンで


「アジアは今までいろいろあったのに、日本人や中国人や韓国人が


こういう風に集まって映画が作れるのはすばらしと思います。


映画を通してアジアの人がお互いに何かを感じてくれたらいいなと


思います。」とうような事を控えめな表現で言っていた。


真田弘幸もチャンドンゴンも敵役の中国人もみんな魅力的で、中国の


主人公の女性も、最初は可愛くなかったのに、どんどん美しくなって


いって良かった。ところどころに、子供の時にみたようなヨーコ・オノが


窓を一枚ずつ閉めていくシーンや、ブルース・リーが鏡の間で、見えない


敵と戦うようなシーンや鳥かごの中でバネッサ・パラディが演じた


シャネルのCMを思い出すような印象的な場面が出てきたので


「監督はもしかしてわたしと同年代?」と思ったりした。この映画の


この映画のタイトルを別に付けるとしたら、「運命」。


運命は自分で選べるし、自分で作るもの。


いたずらな悪魔の呪いが降りかかってきても、絶望してしまわないで


一瞬一瞬を一生懸命生きよう。花びらが木から離れて散るように、


実らない愛が無限の闇に消えたとしても、愛はひそやかに人の心に


根付いて、永遠の花を咲かせるだろう。ちょっとロマンチックになれる


映画でした。