在日中国人の罪なら出頭拒否できるの?
在日中国大使館と関係の深いコンサルタント会社「中国事業顧問」を舞台にした入管難民法違反事件に絡み、警視庁公安部が参考人として出頭を要請していた同大使館の領事部参事官(51)ら2人について、同大使館が出頭拒否を外務省に伝えていたことが20日、わかった。
公安部が押収した中国事業顧問社長の章健被告(51)(同法違反の罪で起訴)の手帳には、参事官が章被告に「中台統一(中国と台湾の統一)運動」を推進するよう指示したとする記述があるため、警察当局は再度、出頭を要請する方針。
公安部では、章被告が、中国大使館の信用力を背景に、日本に住む中国人らから不透明な資金約2億円を集めていた疑いが浮上したことなどを受け、参事官ら2人を事情聴取するため、今月13日、外務省に出頭要請の手続きを要請。出頭期日を20日午前に設定した。
関係者によると、出頭要請の通知を受けた同大使館側は、同省に対し、「外交の慣例上、応じられない」と回答。外務省は20日までに、警察当局に同大使館の意向を伝えたという。
公安部の調べでは、昨年8月に港区内で開かれた「中台統一」をテーマにした会合の直前、この参事官が章被告と打ち合わせをしていたことが判明している。
この打ち合わせは、参事官が中台統一を掲げる在日中国人の民間組織「日本中国和平統一促進会」の幹部数人を同大使館に呼び出して行われ、その際、参事官が章被告に「会合を成功させよ」などと命じたやり取りが、章被告の手帳に書き残されていた。
公安部などによると、参事官と章被告は、国内でのゴルフや中国への渡航の際、一緒に行動することもあったという。公安部は、台湾統一運動で章被告が果たした役割などについて、参事官が詳しく知っている可能性があるとみている。
中国大使館は読売新聞の取材に対し、「章被告は在日中国人であり、大使館が付き合いをもつことは不自然ではない。出頭要請は章被告の事件と大使館を不当に関連づけようとしている。出頭に応じるわけがない」とコメントした。
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