中国の軍備拡大の様子
【ロンドン=蔭山実】中国の通常兵器輸入総額が二〇〇一-〇五年で
計百三十三億四千三百万ドル(約一兆五千六百億円)となり、
世界最大だったことがスウェーデンのストックホルム国際平和研究所
(SIPRI)の推計で明らかになった。
年別の輸入額でも中国は〇四-〇五年はいずれも一位で
軍備増強を着実に図っている状況が浮き彫りになっている。
同研究所は独自の手法に基づいて一九九五年以降、年ごとの
各国の軍事費の動向を分析、二十二日に〇五年の最新推計を
まとめた。
兵器輸入額で一位の中国はロシアを主要な輸入先とし、
早期警戒機や対空ミサイルの購入決定などで空軍戦力を
拡充するとともに、陸軍、海軍も兵器輸入に強い関心を
抱いているという。
中国は国防費の実態が不透明だと批判されており、台湾との
関係など東アジアの安全保障に中国の軍備増強が大きな影響を
及ぼすとの懸念が、日本や米国で強まっている。
最新推計では、〇一-〇五年の兵器輸入総額で中国に次ぐのは
急速な経済成長で中国と競い合っているインドで、
計九十三億五千五百万ドルに達した。他方、近年の原油価格高騰に
伴う石油収入の増大で、中東地域の産油国が軍備増強に
乗り出していることも明らかになっている。
産油国ではアラブ首長国連邦(UAE)が急速に兵器輸入に乗り出し
〇一-〇五年の兵器輸入総額で世界四位に入る水準にまで達している。
同研究所は核開発を進めるイランへの警戒心が軍備増強に拍車をかける
要因になっているとみている。
(産経新聞) - 3月24日