中東ぶらぶら回想記」 | 日本のお姉さん

中東ぶらぶら回想記」

ヨーロッパ各国それぞれの事情で、イスラーム系の移民を

「低賃金の働き手」として受け入れ始めたのが第二次大戦後の

1960年代だ。
当時はヨーロッパの景気もよかったし、階層意識の強いヨーロッパ

のことだから、掃除やごみ処理、土木工事といった「汚れ仕事」に

自ら手を下さずに済ませて、ついでに安上がりな労働力を「輸入」

することにしたのである。

ところが70年代初めのオイルショック以降、ヨーロッパの景気は

一気に低迷し始める。
その辺の事情は各国で違うが、こうした「経済難民」を積極的に

受け入れて、居住と労働を許した状態が10年以上続けば、

どこであろうがイスラームのコミュニティーが発生し拡大する。

自業自得の結果とはいえ、このコミュニティーは定住した国と

馴染み交わろうとしない。


ヨーロッパというのは、どこの国でも「そこの国民としての規律

と生活を身に付けて、そこの国の言葉を覚えてその国の人間の

ように振舞って溶け込めば一応存在を認めてやるよ」という姿勢

がある。
国によって程度の多少はあるけれど、間違いなくある。

しかし、異文化を持ち込んで、そのままの生活を基本的に崩さない

コミュニティーが国内に生まれたら、これは非常に薄気味悪がら

れるのは間違いない。

デンマークを責めるわけにはいかない。日本だって同じだろうと

思うからだ。


国民総数からすれば、数も規模も当然違うだろうが、

デンマークの場合、ドイツやスウェーデンと大体似たような

「約3%」という数字が出ている。

たかが3%と侮れない。
ルーテル派のプロテスタントが92%を占めるこの国では、

第二位につける宗教がイスラームとなるからだ。

スウェーデンも似たような状況らしいし、難民受け入れには前向き

である。
ノルウェーの場合は、現政権がパレスチナ問題に前向きに取り組んだ

実績がある。
ドイツ、イギリス、フランスなどヨーロッパの大国は、それぞれの事情と

歴史的背景を持って、現状と何とか対応しようとしている

(しかし、テロの温床になっているような現状では、前途多難ではある

ようだ)。

さて、デンマークはどうかといえば、2001年まではわりあい難民受け

入れに積極的で、現状そうした政治難民としてデンマークに移住して

きたイスラーム人口は、デンマークで定住している中でも40%を

占めるという。

しかし、2001年にラスムセン党首が率いる自由党が第一党となり、

ラスムセン政権が発足。
「外国人移民対策の強化」を強く訴えて、国民の支持を得たのだ。

いわゆる「保守右派路線」が国民の支持を得る、ということは、

デンマークという国自体に他のスカンジナビア諸国のような余裕が

なくなってきている、ということなのではなかろうか。

以降、移民受け入れの条件や外国人へのビザの発給基準が、

他のスカンジナビア諸国と比べて相当に厳しくなる。

こういう状況を考えて、パンドラの箱を開けたオッチョコチョイが

デンマークでも、それはなるほど不思議はないな、という思い

に至る。北の田舎のジョーク好きが、お身内感覚のちょっと悪趣味

な悪ふざけをやってみたら、うっかり見つかって、大騒ぎに

なってしまった・・・ということか。

  「中東ぶらぶら回想記」

  http://arima.livedoor.biz/
ヨーロッパの国ごとのイスラーム人口

http://www.islamicpopulation.com/europe_general.html