救急車にCTスキャンを付けるというのはどうかな? | 日本のお姉さん

救急車にCTスキャンを付けるというのはどうかな?

04年6月、愛知県内に住む1歳の男児が交通事故で亡くなった。大声で泣き叫んでいた男児は、救急隊員に「重症ではない」と判断され、2次救急病院へ運ばれた。しかし症状は急激に悪化し、3次病院の救命救急センターに転送された時には手の施しようがない状態だった。


 センターの医師は「最初からこちらに来れば助かった可能性もある。こうしたことは、どこでも起きている」と話す。重症患者転送が相次ぐ救急医療体制を、改善する道はないのか。【鯨岡秀紀】


 事故は午前9時過ぎに起きた。自宅前の道路に飛び出したよちよち歩きの男児を祖母が抱きかかえたところを、走ってきた乗用車がはねた。


 救急隊は2人を約10キロ離れた2次救急病院へ運んだ。意識がもうろうとしている祖母と、母親に抱かれて泣き叫ぶ男児。より重症に見えた祖母から治療が始まった。


 祖母は意識を取り戻し、命に別条はないと分かった。引き続き男児の検査が始まり、骨盤骨折と肝臓損傷の疑いが判明した。検査中だった午前10時ごろから状態が悪化してほぼ心停止状態に陥り、約10キロ離れた安城更生病院(愛知県安城市)の救命救急センターへ転送された。午前11時47分に同病院に到着し、点滴や輸血、蘇生措置を受けたが、効果がなかった。緊急手術の準備が進められたが、午後1時40分に死亡が確認された。


 同病院の田渕昭彦・救命救急センター部長は「じわじわ出血し、すぐには見た目の症状が悪化しなかったのだろう。最初から3次病院へ運ぶべきだったが、CT(コンピューター断層撮影)などで検査しないと、医師でも重症と見抜けなかったかもしれない」と話す。

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