何だか気持ちが悪いニュース
クイーンズランド(QLD)州アラクーン・ボーキサイト鉱
の優先入札業者に選ばれた中国のアルミ大手チャルコ(中国鑢業)が、
同州内に溶錬所建設を検討していることが分かった。
同社は安価な電力を調達できた場合、さらなる投資を行う可能性に言及。
実現すれば、パプアニューギニア(PNG)のガスプロジェクトにも好影響を
与えるとみられている。15日付オーストラリアン紙が報じた。
アラクーン(Arkun)はQLD州ケープヨーク半島に位置。
1975年からフランスのペシネー(Pachiney)にリースされていたが、
同社が約束の88年末までにアルミナ精錬所を建設しなかったため、
2003年にQLD州政府からリース契約を解消された経緯がある。
ペシネーはその2カ月後、カナダのアルミ大手アルキャンに買収された。
チャルコは総額29億豪ドル超に上る鉱山・精錬所の開発計画について、
5月末までにQLD政府に最終入札案を提出する予定。
同社の肖会長はブルームバーグの取材に対し、
「政府とアルミ溶錬所の建設の可能性を話し合っている」ことを明かした。
同会長は「豪政府はパイプラインを敷設し、PNGから天然ガスを
輸送しようとしている。
より安価な電力を得ることができるなら、さらに投資する用意がある」と述べた。
アラクーンのボーキサイト埋蔵量は6億5,000万トン以上。
獲得が実現した場合、アルミ世界2位のチャルコは保有資産の埋蔵量を倍増
させることになるという。
チャルコはアラクーンで年750万トンのボーキサイトを採掘し、
年210万トンのアルミナを生産する予定。
鉱山では約100人、精錬所では470人を雇用する。
■PNGパイプラインの行方
同紙によると、アルミ精錬コストのうち、30~40%を電力費が
占めるという。アルミ生産者は、世界各地で高額の電力費のために
利益を削っているのが現状だ。
同会長の発言は、火力発電所の動力源となるガスを供給する
パイプラインの敷設によって、電力コストが低下することを期待したもの。
総額36億米ドルのPNG~QLD州ガスパイプライン敷設プロジェクトは
まもなく、最終的な投資計画を決定する。
参画企業はオイルサーチ(オペレーター)とエクソンモービル、
新日本石油開発、PNG国営ミネラル・リソーシズ・デベロップメント。
09年の稼働を目指す。
同プロジェクトは既に、チェルコの競合に当たるアルキャンや、
QLDアルミナ(コマルコ、アルキャン、ロシアのルシアルが株式保有)など
複数企業と供給契約に合意している。
オーストラリアン・ガス・ライトとマレーシア国営ペトロナスの2社が
共同で総額30億豪ドルを投じ、パイプラインの豪州部分を共同で開発・所
有・運営する。
なお、チャルコの肖会長は「経営支配権の維持が条件になるが、
ほかの中国企業の(アラクーン)プロジェクトへの参加を歓迎する」と
コメント。埋蔵されているボーキサイトは、中国のものよりはるかに
質が良いと指摘した。