暖房費を安くするならガス&電気カーペット
20年ぶりの大寒波で暖房による電気やガス使用量が急増している。東京電力は1月中に2度も1日の消費電力量の冬季最高記録を更新したほか、東京ガスはこの冬、6度も最大供給量を塗り替えた。どの家庭も暖房器具はフル回転。これにより暖房費が増加、倍増した家庭もあると聞く。暖房料金の節約術を探った。
「12月中旬から突然寒くなって、エアコンのほか円筒状のセラミックヒーターを補助的に使うようになりました。ヒーターが電気をかなり食っていたようで、電気料金がそれまでの2倍になったのはビックリですよ」
ニシさん(38歳)は、それまで1カ月5000円前後だった電気料金が1万1000円に。1回分の飲み代が軽く消えた勘定だ。
ちなみに東京電力への1月の電気料金の問い合わせ件数は、約3000件。実に対前年比3倍だ。ニシさんのような人が相当数いるのは間違いない。そこで暖房費を節約するコツを伝授しよう。
●エアコンの設定温度を1度下げて100円安
総合情報サイト「All About」で「節約・やりくり」部門のガイドを担当する和田由貴さんが言う。
「エアコンは、暖かい空気が天井付近にたまりやすい。天井に向けて小型扇風機やファンを回し、温風を循環させると、部屋全体が無駄なく暖まって、暖房効率がグンとアップします。熱を逃がさないという意味では、厚手のカーテンも効果的。床に垂れるくらいの長さで、窓際の冷気を遮断するのです。暖まりやすい状況を作った上で、設定温度を下げること。1度下げるごとに10%の省エネになります」
8~10畳用を1日4時間使用するとして、設定温度を1度下げると、電力量は月約4キロワット減ってひと月の電気料金は100円減る。2度下げで10キロワット減の220円ダウンだ(北陸電力調べ)。さらに2週に1回の割合でフィルターの掃除をやるだけで、年間約900円の節約になる。
ファンとカーテンの利用で即効性が生まれ、さらに設定温度を下げる余地が。これに加湿器をプラスすれば1000円以上の効果が得られる!?
●石油価格高騰でガスストーブに注目
「エアコンは外気を暖めたり、冷やしたりして、部屋に送り出す仕組みです。そのため外気温の変動で、消費電力が上下します。今年は去年より寒いので、昨年と同じ設定温度でも、消費電力が増えてしまいます」(東京電力営業マン)
そこで重要なのがCOPだ。これは熱効率を示す指標で、大きい値ほど効率が高い。6以上の高級エアコンなら厳冬でも問題なく機能するが、十数万円の価格がネック。そこで狙い目は3万円程度のガスストーブ。和田さんも、実はガス派だ。
「一般に暖房効率でいえば高級エアコン、石油、ガスの順ですが、今年は石油価格高騰でガスの方が良い。効率は中級エアコンより上だし、何より即効性に優れます。暖房の体感温度は湿度が重要で、湿度の低いエアコンは設定温度が高くなりがちですが、ガスは燃焼によって湿気が出るため、設定温度は低くても大丈夫。わが家は17~18度でもぽかぽかです」
ストーブの設置場所は必ず窓際に。壁側から窓際に向けて置くと、温風が窓で冷やされてしまうからだ。他の器具も同様。
●合わせワザには電気カーペットを
「電気ストーブや円筒状のセラミックヒーターなど、ピンポイント暖房器具は熱効率が悪く、非常に電気を食います。併用するなら、電気カーペット。これでエアコンなどの設定温度を下げるのがベター」(和田さん)
電気カーペットは通電面積を全面から半分にすると、1日4時間使用で1カ月約450円の節約になる。
寒波はまだまだ続く。気をつけて使わないと大変なことになるゾ。
【2006年2月7日掲載】
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1701003/detail?rd