18年間の愛 | 日本のお姉さん

18年間の愛

病気の猫を病院に連れて行った。

病院の門の前に毎晩、病院で出会う女の人が

立っていた。

彼女の猫は子供のとき、病気で

おしっこがでなくなった。

そのままだと膀胱がぱんぱんになって

死んでしまうので

毎日病院で、おしっこを抜いてもらい、

膀胱を洗浄してもらっていた。

今日は猫を運んでいない。

わたしが自分の猫を車から降ろそうと

していると、駆け寄ってきて

「わたしの猫ちゃん1週間前に

死んじゃったんです。」と、言いにきてくれた。

18歳まで、毎日病院に通ったんだから、

もう十分だよ。18歳まで生きられたら、

幸せな猫だよ。

彼女には何か勲章を差し上げたいぐらいだ。

猫のためにお金を使うなんておかしいだろうか?

一度、飼うと決めたら、最後まで

面倒をみてやるのが、飼い主の勤めではないか?

気に入らなくなったり、病気になったら

捨てる人は、動物をペットにしないでほしい。

一生面倒みてあげる覚悟を持って、

ペットを飼ってほしい。

死んだ猫ちゃんの話しをしていたら、

彼女の目に涙がいっぱいに溢れてきて

こぼれそうになったので、わたしもあわてて

話しを切り上げて病院に入ってしまった。

泣かないで~!わたしも泣いてしまうじゃん!

「猫に死なれたら、もっといろいろしてやれば

良かったって、考えるものだけど、

そうじゃないよ。18歳まで生きられて

幸せだったんだから!!」って、

わけわかんない事を叫びながら、

自分の猫を抱えて病院の階段を駆け上がった。

「絶対幸せだったんだから!!」

病院のドアを開ける前に階段の上から叫んだら

うん。と彼女は首を振って、くるりと後ろを

向き、自分の車に乗り込んでいった。