N猫ちゃんの前足のギブス。 | 日本のお姉さん

N猫ちゃんの前足のギブス。

N猫ちゃんは、ミルクを飲ませないといけないぐらい小さな赤ちゃん猫


だったのに、大きくなって連れて歩かなくても大丈夫なぐらいの


子猫になった。


タンスに自分で上がれるようになったが、降りるときはちょっと怖いらしく、


頭を下にして、前足をずるずると先にタンスに這わせて、ちょっと床が


近くなってからジャンプして飛び降りていた。


ある日、N猫ちゃんが、いつものように、ずるずる前足をタンスに這わ


せているのを見ていたら、なんと、タンスの取っ手に前足を滑り込ませている。


危ない!!と思った間もなく、N猫ちゃんはそのままジャンプした。


そして、タンスの取っ手の囚われの身になった。


右の前足がタンスの取っ手に引っかかり、宙ぶらりんになってしまった。


前足は逆方向に曲がっている。遅かった!!


N猫ちゃんは、ぎゃあお、ぎゃあおとすごい声で叫んでいる。


必死で走りよってN猫ちゃんを救出したが、いつまでも泣きわめいている。


足が折れた!!直ぐに動物病院に運んでレントゲンを撮ってもらった。


子猫だったので、骨がまだやわらかく、ポッキリとは折れずに、


竹をへし折った時に、縦にスジが入ったような状態で折れていた。


ダンボールで作ったギブスをしてもらって、包帯を巻いてもらった。


家に帰ると、なんだか様子がおかしい。両方折れているような


変な歩き方をする。よく見たら、動物病院の先生は、折れていない方の


足にギブスを巻いているのだ。ギブスを巻いてもらうときに、


「はい!」と言って、N猫ちゃんの足を差し出したのはわたしだが、


間違いに気が付かずに、そのまま巻いてしまう先生もうっかり者らしい。


おっとりした感じの優しい先生なので、そのことは秘密にすることにした。


言えばショックだと思うから。わたしも十分恥ずかしかった。折れた足を


間違えるなんて、ショックだった。


N猫ちゃんの包帯を外して、自分でギブスを付け替えた。


3日ぐらいしたらN猫ちゃんはギブスを勝手に外して普通に歩いていた。


子猫の回復力はすごいなと思った。自分でN猫ちゃんの折れていない方の


足を差し出だしたくせに、ちょっぴり動物病院の先生に不信感が残ったのは


否めなかった。