N猫ちゃんの離乳食。
N猫ちゃんは自分でご飯を食べられるようになった。
小さな目が日本猫らしい。かわいそうだが、あまり
器量良しでもないというのがみんなの意見だった。
でも、大人になると目がぱっちりと大きくなって
本当に可愛い日本の三毛猫になった。お金があれば、
三毛猫のブリーダーになって、しっぽが短くない
アメリカのブリーダーが定着させたジャパニーズボブテイル
とは違う、日本猫らしい三毛猫を繁殖させて、「日本猫」という新しい
種類を定着させたいぐらいだった。今の野良猫は外国の猫の血が
混じって、外国の猫の顔をしているのが多い。
シャム猫はシャムでは王様の猫だったが、だんだん
外国の猫と混血していって、本当の純血種は絶滅しかけて
いたそうだ。絶滅しかけの本物のシャム猫を、タイの人が
王様の親族から譲り受けて、定着させようと頑張っているという
番組をテレビで観たことがある。シャム猫は外国でシャムという種類を
定着させたが、本場のシャムでシャム猫の血を絶やさないように
努力している人はテレビに出た人だけだ。あんな風に誰か純粋な
三毛猫を作ってくれないかなあ。でないと、みんな外国の顔の猫に
なっちゃうよ。犬では秋田犬や柴犬がちゃんと純血種として残ったが
猫は見捨てられているね。日本の猫は可愛いのに!
N猫ちゃんは、ミルクを飲ませるのが長すぎて、お皿からミルクを
飲むのがへたな猫になってしまった。舌を出すのが短すぎて
いつも水を外に飛ばしていた。もっと早く哺乳瓶を取り上げるべきだった。
離乳食は、本に書いてあったように、鳥のささみとか、ミルクの粉とか
小魚とかうずらの卵とかを混ぜたものをやったら、
それが気に入ったらしく、キャットフードを食べてくれない猫になった。
子育て失敗だ。ペットショップに売っている離乳食は食べてくれなかった。
でも、フリスキーという銘柄のキャットフードだけ食べてくれたので、
N猫は生涯フリスキー派だった。銀のスプーンという銘柄も食べることが
後で分かった。偏食のせいか、ミルク飲み人形の哺乳瓶で
育てたので容器から毒が出て体が犯されたのか、体の弱い猫だった。
よろよろと、足元に来ては、どてっと倒れるのだ。あわてて病院に連れて
行くのだが、病院に着くとけろっとしている。
友達は「気を引きたいから演技しているんじゃないかな。」と、言うが、
医者は物を吐いた時、息が続かなくて、酸欠になって倒れるんでしょうと、
言っていた。まさか猫が演技なんてと思うが、車に乗せるとしゃきっとして、
窓から外を楽しそうに見ていたから、車に乗りたい時に倒れたのだろうか?
まさかね。おまけに、全く「にゃん。」とも鳴かない。
嫌なことをすると、「イヤッ!」と言うのだ。友達は「そんなバカな。」と言うのだが、
確かに「イヤッ!」と言っていた。( 親バカならぬ、猫バカかしら? )
自分でご飯を食べられるようになったので、N猫ちゃんを会社に連れて行く必要は
なくなった。N猫ちゃんはお昼は寝て、夜はわたしと遊ぶために起きる生活を始めた。