もうめちゃくちゃに面白かった。
鈴木、鯨、蝉この3人の登場人物のそれぞれの視点で物語が進行していく
妻の復讐を胸にフロイラインという会社に潜入する鈴木
依頼を受けて対象を自殺させる自殺屋の鯨
同じく依頼を受けて対象を殺す殺し屋の蝉
それぞれ最初は全く接点がないスタートだけれど、進むに連れてどんどん収束していく様が非常に読んでいてドキドキハラハラでした。
伏線回収もキッチリするし、えっそれ伏線だったのか!となる驚きもあったし、読ませ方が非常に上手い。
作中では唯一、真っ当な善人と呼べるのは鈴木の亡き妻ぐらいで、あとは皆善人ではない。
それぞれがそれぞれの思惑で走るのみ。そこに善悪の区別もない。
こういう表現は結構ツボである。
グラスホッパーの登場人物達は、善悪に関して一切頭にないし、人間社会の話なのでそれが歪みとして出ているところが面白い。
人間社会の野生みと言ってもいいかもしれない。
ライオンが鹿を食べるのにも同じく、善悪の区別はないが、それだけではただの食物連鎖でドラマは生まれない。
このグラスホッパーを名作たらしめるのに肝心なのは、登場人物の心情や背景、そして現代社会である舞台なのだろう。
そのバランスの上にあるのがこの作品、グラスホッパー。
本当に面白かった。100点。おすすめです。
何語るにもネタバレ踏むので遠慮して書いたので
読んだ人いたらお便り待っておりますの心構え。