ジョジョの奇妙な冒険 =spin off novel:七色の落書き=

ジョジョの奇妙な冒険 =spin off novel:七色の落書き=

ジョジョの奇妙な冒険のスピンオフ小説になります。スタンドの概念は7部の考え方に近いです。絵は自分が書き、アプリの補正をかけています。私へのメッセージはコメント、ツィッターでも受け付けています! ID @koutanyanta

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 城 譲(じょう ゆずる)は「ジョジョ」と呼ばれている。それは大学生になった現在も例外ではない。

178cmの身長、目を見張る体格の良さは、そのまま腕っぷしの強さと、トラブルへの遭遇率を物語っている。

 5月も半ばに差し掛かった頃、ジョジョの目覚めは大学生生活が始まって最高のものだった。眠気もなく、疲労感もない。休息をしっかり取り、体の内側からエネルギーが湧くような、元旦の朝に新品のパンツを身に着けたような気分だった。昨日の「何か」のことなど頭の隅にすらなかった。


「ジョジョ、昨日は大丈夫だったかい?」

大学で話しかけてきたのは広瀬直人(ひろせ なおと)。大学に入り、周囲の同学年の学生から敬遠されがちなジョジョに対し、全く臆することなく話しかけてきた稀有な存在。しかし、物腰は柔らかく、性格は控えめ、悪く言うと、若干臆病である。

「熱でぶっ倒れたが、今朝は何だか、ミョーに元気でよ~!これなら、一回も講義で寝ることなく夜を迎えられそうだぜ!」

「39度だったって聞いたけど、インフルエンザじゃないかい?」

「セキも鼻水もタンも出てねーし、熱もない、体はピンピンしてっから、大丈夫だ、ナオト」

「そうかい?」

 チャイムが学内に流れ、講義が始まった。それから、俺は本当に一回も講義中に寝ることなく、バイトの時刻を迎えた。今日は何だか、大学に人が少なかった、らしい。教授たちの授業中の雑談を要約すれば一年生の欠席が多く、50名ほど学校に来ていないらしい。その具体的な数を調べたのは噂好きのおばちゃん教授なんだとか。なには、ともあれ、大学生活屈指の充実した生活を送った俺ことジョジョは、いつも通りスーパーのレジ打ちというバイトをこなした。最後の仕事であるゴミ出しをすれば、一日の業務は終了となる、現在23時を回ったところ。大き目のポリバケツを通るか通らないかの幅しかないドアからポリバケツを押し出し、スーパー裏のゴミ置き場に置く。


 ふと、物陰に人が見える。便所座りのように、ガニ股で腰をかがめ、口に何か袋のようなモノを押し当てて、肩で息をしながら、こちらを見ている。街灯は少なく、裏路地に位置するゴミ捨て場。そして明かりはジョジョ付近にしかないため、相手の細かい様子をうかがい知ることはできない。ジョジョは直感的に危機感をヒシヒシと感じていた。ヤツはむくりと立ち上がり、千鳥足のような足取りでこちらに近づいてくる。

「・・・・・・・・君は、人の『限界』を感じるかぁい?知っているかぁい?」

明かりの範囲内に入った奴の風貌は、頬は痩せこけ、眉はなく、頭の左右で髪をボウズとロングヘヤーとで分けている。髪の色は派手なグリーン。服装はダルンダルンで所々に英字の入ったロングTシャツに、鎖のジャラジャラついたパンツを穿いている。手に持っている袋は、シンナーの入ったビニールではなく、ただのお菓子の袋である。中身はキャラメルで味付けされているCの字で形作られたスナック。

ジョジョの右手には拳銃が握られている。例の水鉄砲である。手が震え、水鉄砲の内部でピチャピチャと水が震えている。

「・・・・・・人の限界わぁ、『死』を持って、感じられて、知ることがでぇきる。」

ポイと袋から取り出されたお菓子が1つ投げられ、ジョジョの着ているエプロンに当たった。

「・・・・・君は知っているね、『死』の味を・・・・・・・・・・感じさせてくれぇ、君の『限界』をぉ!!」

言うと同時にお菓子を放る。今度は3つ。空中に放り出されたお菓子は一目散にジョジョに向かって飛ぶ。

ジョジョに向かって飛ぶお菓子はバッティングセンターの投球機の玉のように、妙なノビを見せながら、ジョジョにめり込む。鉛玉でも撃ち込まれたかのような衝撃がジョジョを襲う。

「かはっ!、、なんなんだぁ!テメーは!?」

めり込んだお菓子は勢いが止まらず、さらに、奥へ奥へとねじ込まれていく。たまらずジョジョは吐血、膝をついた。

「・・・・・・俺の『限界』の名前はストレイテナー。・・・・・・寂しがり屋なんだぁぁ。」

さらに、数個、またお菓子が放られ、こちらに向かって飛んでくる。

 ジョジョは、苦しみながら、水鉄砲の銃口を上げ、引き金を引く。