摂食嚥下が仕事で ●●大学病院にはいったものの 病院での実践は今回が初めてした。

嚥下の理論は 摂食嚥下器官の講義をしたり 施設での職員への勉強講演をやったりしていたので

一通り知ってるつもりでした。

施設では 職員さんたちから 「嚥下が難しい人へ食事のケアをやっているのをみて アドバイスしてほしい」 とよくたずねられましたが、 やったことのないものはわからないので  「ムセなっきゃ いいんじゃないっすか」 みたいなことを言ってました。

専修学校の講義でも 実践に関しては いろんな理屈をこねまわし、全く触れない講師でした。


ところが 今回 ●●大学病院では 嚥下訓練の実践をしなければなりません。

初めての実技です。

ごはんを食べさせる なんて 簡単じゃん と。確かに 健康人相手なら、そうかもしれませn。

ところが ●●大学病院で 相手にする人は 食べたら 胃ではなく 息をするための肺に入れてしまい、

ムセこんだり 喉につめて あっちの世界にいってしまいそうな人たちです。


一筋なわでは行かない日々が始まりました。

口(くち)は 外胚葉由来の器官で、人間の多様な欲望を満たしてくれます。


人間は口から 発せられる音で 言語を編み出し、 他者とコミュニケーションします。

  なかには 独り言を言って 自分自身と交信する人もいますが。

普通は 口から発せられた言語によって 人は 他者と語り、喧嘩し、時には 愛を語ります。


愛を語る口は 愛撫の器官でもあり、 男女交際は 多くの場合 キスから始まります。

口は プラトニックラブから 肉体関係に移行する 最初の身体的接触場所であるのですが

昔 「キスより簡単」という漫画があったように キスはSEXより 精神的な愛が必要になる場合があります。



さらに 人は 口から物を食べます。 そして 息をします。


本来 こちらの方が 口本来の役割だったはずです。


人間は音声言語を手に入れるために 遺伝子に解剖学的変化を課します。

生まれながらに、 他の動物たちよりも 広くて長い 喉をもつ、

それによって 言語に必要な多様な音声を作り出せるようになりましたが

同時に 食べ物や飲み物を 呼吸器官の方に誤嚥してしまう危険が課せられました。


健康であるなら、 この危険は危険でもなんでもないのですが

病気や事故にあったために この危険が著しくアップされてしまう人がいます。


●●大学病院に運ばれてきた 摂食・嚥下機能 つまり 飲んだり 食べたりする機能に著しく障害を受けた人

たちに 再び 危険なく食事を楽しんでもらうようする お手伝いや訓練することが 摂食嚥下士の仕事なのです。


千と千尋の神隠し が 好きで好きで 10回は繰り返しみました。さすがに 10回みたら もう満足だったので、知り合いの自閉症さんが 「アラビアのロレンス」が好きで 40回みた というのと 比較して あたしゃ 大した自閉症にはなれないな と思ったものでした。

千と千尋の魅力は 「働く」ということが伏線のテーマになってましたし、油屋の風貌 あの毒々しい外装にすっかり魅了され 24時間体制の人が絶えず出入りして賑やかな雰囲気に すごーい憧れをいだいたものです。


ああ あたしも 油屋みたいなところで 働きたいな


って 千と千尋をみながら ずーと思っていました。


●●大学病院は まさに油屋みたいなものです。

いろんな人が出入りするし、癒されるかどうかは別に そこで回復していくし。

絶え間なく みなさん ちょこまか 働いています。


49才にして 夢ってかなうもんなんだ って 思いました。