(あー恥ずかしいー二人の顔見れないやー)
チャンミンは醜態を見せた二人に会うのが気まずく廊下でウロウロしていた。
(えーい!もうどうにでもなれ!)
痺れを切らしたチャンミンは教室のドアを開けた。
「おーキタキター!噂の張本人がー!」
二人は爆笑した。
「すみませーん!ご迷惑おかけしましたー!」
チャンミンは90度お辞儀した。
「やめてよー謝るのー!めちゃくちゃ楽しかったわよー私達!ジェジュン先生の「男」も部分も見れたしーワイルドで最高だったわーねーダヘー」
「ほんとかっこよかったですよねー!ワイルドだろ~」
「もう、ダヘったら古いよー」
二人は手をたたいて笑った。
(チクショー謝らなきゃよかった)
チャンミンは少し膨れながら準備を始めた
「ねね、あれからどうしたの?」
「‥酔っぱらいすぎてあんまり覚えてないす…」
「酔っぱらった勢いでジェジュン先生襲ったらよかったのにー」
「な、何馬鹿な事言ってるんすか!!」
チャンミンが真っ赤になって立ち上がった。
「私達なにも聞いてないのに勝手に好きだ、て告白してきたのだーれだー」
「そうだそうだー!ねージスンさーん!」
「うそだろー!嘘だと言ってくれー!」
チャンミンは耳まで真っ赤になり頭を抱えながら座った。
「あ、あの俺どこまで喋りましたか?」
「えーっと、先生がお兄さんの恋人だったんだけ女の人が妊娠して結婚してー‥」
「あーー!もうそれ以上言わなくてもいいよー!」
その時ドアが開きジェジュンが入って来た。
「こんばんはー皆さん!今日も楽しそうですねーあの日は大変でしたねーハハッ」
「先生ーこんばんはー!」
「ご迷惑おかけしましたー!助かりました!」
「いえいえ、お役に立てて良かったです。生徒さん同士仲良くなるのはとても嬉しいことなんですが飲むのは程々に、あ、チャンミンだけか」
二人は歓声をあげた。
チャンミンは顔を隠しながら「ジェ、いや、キム先生すみませんー!」と頭を下げた。
「フフフ、どういたしまして!
皆さんもうご存知だと思いますがチャンミンは血の繋がりはないですが僕の弟のような存在です」
(弟のような…)
チャンミンはその言葉に少し傷ついた。
「久しぶりの再会でチャンミンを見た時凄く嬉しかったけど、ここは公私混同しちゃいけないと思って敢えてよそよそしくしてた気がします。しかし今回の一件で完全に吹っ切れました」
「先生素敵ー!」
「私達に遠慮せずに仲良くしてくれて良いですよー!」
二人はヒューヒューと言いながら拍手した。
チャンミンは静かに顔を上げた。
ジェジュンは柔らかい笑顔を浮かべチャンミンを見つめた。
「あ!そうそう!僕優勝したって?チャンミンに聞いても教えてくれなくて」
「それはですね~」
「あああああーー!!言わなっっ…!!」
「この教室講師の中のイケメン優勝ですよー!」
ジスンがチャンミンにガッツパーズをして頷いた。
「あは、本当に?嬉しいなーみんなありがとうーさ、ではレッスン始めましょうか」
ジェジュンは照れくさそうに笑った。
チャンミンはほっとしてジスンにむかって会釈した。
「はい、では今日はここまでにしましょう」
「お疲れ様でした!」
ジスン達は素早く片付けをして立ち上がった。
「あれ?今日はやけに慌ただしいですね?」
「はい、姑がうるさくてー」
「あ、、えーっと、私は母がうるさくてー」
二人はチャンミンに口パクでガンバレ~と言いながらそそくさと帰っていった。
「そうだよな、みんな時間を作ってこうして習いに来てくれてるんだ。俺も頑張って教えなくっちゃ、な、チャンミン!」
(それも一理あるけど今日のは余計なお節介な部分が大部分しめてますよ)
そう思いながらながらもチャンミンは二人っきりになれたので二人に感謝していた。
「先生!あの日本当すみませんでした」
「二人きりの時は普通に話そ?チャンミナ、ヒョンと呼んでもいいし」
「ほんと?」
「もちろん!」
(あーいい笑顔だなーこの笑顔に惚れたんだよなー)
ホワイトボードを消す後ろ姿をチャンミンはしばらく見惚れていた。
「チャンミン明日昼何か用事ある?」
「え、何もない!(本当はチングと約束あるけど)」
「そ、よかった。じゃ明日俺と久しぶりにデートしよう」
そう言ってジェジュンは振り返りニコッと微笑んだ。