ももクロちゃん参戦記録 -70ページ目

ももクロちゃん参戦記録

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12月12日に幕が上がるの文庫本が発売されました。

こんな感じのダブルカバーになっています^^



幕が上がる (講談社文庫)


【以下:多少のネタバレに注意 あまりストーリーには触れていませんが・・・】

発売日に購入し、12月13日選挙速報が流れはじめた20時にTVを消して、一気に深夜3時過ぎくらいまでで完読してしまいました。

小説を読んだのは本当にどれくらい振りだろうか・・・

そもそも、文学、演劇には全く興味が無い人種です。
お恥ずかしい話ですが平田オリザという劇作家もお顔くらいしか知りませんでした。
正直、ドラマや映画などもほとんど見ません。

そんな私がこの小説について書くなんておこがましいというか、そもそも的外れになるような気がしますが、まあ所詮個人ブログなので好き勝手書こうとと思います 笑

興味が無い理由は、あとがきの解説で指摘されていた偏見が恐らく私の中にもあったのだろうと解釈しています。

所詮は作り物・・・フィクション・・・リアルさを感じない。

アイドルファンが何を言ってんだと突っ込まれそうですがももクロを知るまでは正直アイドルに対しても同じ感覚を持っていました。
いや、正直今でも思っているというのが正しいかも。

この作品を読んでまず感じた事は平田オリザという人間の演劇に対する哲学を主人公の高橋さおりに投影した作品で、これは読み進める内になんとなく感じた。
そしてその哲学は私の演劇のイメージ大きく変化させていきます。
いや、それは高校演劇というカテゴリーなのかもしれません。
作中で主人公のさおりが他校の演劇を見て感じる違和感は、私が演劇に対してリアリティを感じないという部分を代弁しています。
(実際私はCSでたまたま流れていた演劇をちらっと見た事があるくらいなので本当に勝手なイメージです)

さて、物語の大筋はそこそこ真面目だけど弱小演劇部がある人との出会いをきっかけに全国大会を目指すという物語。

ありがち・・・
といえばありがちだけど文化部ってのは珍しいのかな?
(文学作品に精通していないので自信は無い)

そしてこの小説の構成を面白くしているのは演劇部なので、当然作中に演劇をやるわけです。
物語の中にまた物語がある。

この作中の演劇の作・演出を行うのが演劇部部長で主人公の高橋さおり。
作者が自分自身を投影していると思うのは当然です。
これは平田オリザ氏の職業です。
演劇を作る人間の歓びや苦悩の描写にリアリティがある。

そして何よりも共感した描写は・・・
演劇と言うものに真剣に向き合う事で失うものの描写。

私が一番ももクロとオーバーラップさせたのは実はこの描写でした。
彼女たちはきっと普通の女の子が本来経験できた事や、普通の生活をたくさん犠牲にしてきたんだと思います。
そしてどこかのタイミングで彼女たちはそれぞれきっと覚悟を決めたはずです。
そこには彼女たち各々に苦悩があった事は想像できます。

国立競技場の聖火台で佐々木彩夏がこんな事を言いました。
「私たちのこの人生をかけて、ももクロにこの人生をかけて、がんばりたいと思います。」

当時17歳グループ最年少の少女から「人生をかける」という言葉。
彼女たちの覚悟は私が思っているよりも遥かに強いものだと思います。

幕が上がるの話に戻るが、この心理描写は本当にリアルでせつない。


今回のももクロ初主演映画という事で、既に原作を読んだ方からまるであて書きのようだという感想を耳にします。
各キャラクターはたしかにももクロメンバーをオーバーラップさせます。
もちろん、既にキャストが発表された後にこの作品を読むので勝手に脳内変換させられている分もあるでしょうが。
でも西条美紀(ガルル)などは高城れにを知らずしてこのキャラクターを描けるのか?と思うほどハマっています。

ただ私が思うのは、実はそれはたまたまの事であって性格的には実際はそこまで近いわけでもないです。

特に百田夏菜子が演じる高橋さおりという主人公は性格の根っ子の部分とかはたしかに共通する点もありますが、百田夏菜子とは決定的に違うところがあります。


百田夏菜子は表舞台に立つ事を許された数少ない選ばれた人間。


高橋さおりは小説の主人公ではあるがスポットライトを浴びない裏方の人間。


平田氏のブログで夏菜子に対して「本当に難しい役を、見事に演じきってくれました」と語ったのは、恐らく主人公の性格云々では無く、ももクロの中では全く立場の違う人間を演じたのは夏菜子だけだったのではないだろうか。

国立競技場で11万人を熱狂させるグループのリーダーで不動のセンターである彼女がステージに上がらずに、石川ゆみ先生(ももクロの振付師)や佐々木敦規氏(ももクロの総合演出)を演じているようなものです。
女優経験が少ない彼女にとって、こんなに難しい役どころはない。

だからこそ百田夏菜子の芝居は本当に楽しみです。

スジナシで魅せた彼女の演技に衝撃(笑撃?)を受けたモノノフも多いでしょう。
ラストシーンは彼女の可能性を「無限」に感じた瞬間でした。



そして、「舞台」である。
この映画の公開後、作中の演劇である「銀河鉄道の夜」をももクロが舞台で披露します。

映画の中では「演劇を披露する姿」を演じているわけなのだが、これはももクロがリアルに演劇に挑戦するわけです。

フィクションなのかリアルなのか・・・
もはや演者側も、観客側もわけがわからなくなる。

これは恐らくだが映画の中の一シーンが再現されるだけのものでは無い。
例えるなら野球の映画で野球をするシーンを演じるのと、野球を実際やるのとでは全然違う。

なにか新しいものが生まれる予感。
ひょっとしたらそれが何なのかを制作サイドもまだ見えていないかも・・・。

芸能史上かつてない挑戦だ。


ただ、ひとつ気がかりな事がある。
高橋さおりは演出家である。
舞台には登場しない。

さて、この舞台ではどうするつもりなんだろうか・・・。

そもそも、高橋さおりというのは映画の登場人物であって、単純にももクロとしてこの「銀河鉄道の夜」を挑戦するのだろうか。



ただ一つ言える事は、
百田夏菜子は選ばれたスポットライトを浴びるべき人間だ。






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