『ヴェルサイユ宮殿』の「グランザパルトマン」へ行ってまいりました。

まず、窓から見える中庭は「大理石の中庭」と呼ばれ、床が白と黒の大理石で作られています。(一番最初に作られた小さな宿泊所の部分となります)現在は、夏にコンサートをするなどイベントを行い、ここが舞台になります。


【窓から見える中庭】


ルイ14世は自分の権力を誇示するため、朝から晩までまわりにいる貴族達に自分の生活を見せていました。それにより、貴族達が監視する意味もありました。また、彼らが反乱をおこさないようにという意味あいもありました。

しかし、ルイ15世と16世はそのようなルイ14世のやり方は好きでなく、貴族が入ることが出来ない小さなアパートを作り、プライベートを守りました。それが「グランザパルトマン」になります。

これから18世紀にどのような生活をしていたかがリアルにわかる「グランザパルトマン」をご案内していただきます。

【衛兵の間】
※国王のプライベートな入口を守るため衛兵達がひかえていました。


【階段】
※階段をみるとわかるとおり、国王のプライベートな空間は多くの方が想像するような豪華なものではありませんでした。Lがふたつ見えるのは「ルイ14世」のLを意味し、ルイ14世の空間であることを示しています。



【食堂】
※狩猟から戻ってきた時の食堂です。狩猟はスポーツがない時代に人気があるレジャーで、狩猟が終わると仲の良い貴族達だけを呼んで男性だけで食事をしました。「美味しいワインと美味しい食事を」ということで、フランスのガストノロミーの原点ともいえる場所となっています。しかし、ルイ16世はこの伝統を引き継がず、地理の研究室として使用しました。


壁も床も少しリノベーションはしているものの、すべて当時のままで残っていました。ベルギーの建築家によって作られた壁にはルイ16世の時代ではフランスの港の地図をはっていました。

【壁】


【床】
※ヴェルサイユの木組みと言われ、独特なもの。木の板をはめこみ、1メートルの四角を作って組み合わせているのはヴェルサイユでしかみることができません。

【犬の部屋】
※ルイ16世は犬がとても大好きで犬を飼っているお部屋もありました。お部屋の天井部分に犬が描かれています。


寝室の部分です。天井をふちどっている金箔はロカイユ様式といい、フランスでみられるタッセルの中で素晴らしいもののひとつです。

【タッセル】



テーブルは足がカーブしていてこちらも典型的なロカイユ様式となります。

【テーブル】


【セーブル焼き】
※フランスの有名なセーブル焼きです。焼きを浅めにしているのが特徴で、ビスキュイ焼きと呼ばれています。


【時計】
※18世紀に作られ、15年かかって完成しました。9999年まで表示されるまで設定され、日にちや時間、月のムーンフェイスも出るので、フランスの時計のオフィシャルな時間を表示する時計となりました。。一番上の丸いところはクリスタルで作られている地球儀で、コペルニクスが発見したような地球の動きを再現しています。


【執務室】
※18世紀以前には、執務室というものがなく、フランスではじめて作られたのがここの場所です。(残念ながら今は特別展のため、机は移動しています。)その机は実際に仕事をするというよりは、様々なメダルを片づけるためのものでした。


【美術館のようなスペース】
※ルイ14世の時代はここを美術館のようなスペースとして使っていました。壁に絵がかかり、国王だけが見ることが出来ました。モナリザもルーヴル美術館に飾られる前はこの部屋に飾られていたそうです。ルイ15世はルイ14世のように美術に興味がなく、すべての絵画はルーヴル美術館に寄与してしまいました。


【ルイ16世の部屋】
※ルイ16世の時代はロカイユ様式ではなく、ネオアンティック様式がはやっており、木をふんだんに使用しています。地理が大好きだったので、地球儀があります。アカシヤの木の一枚板で出来ているテーブルでは、地図が広げることが出来ました。奥にある衝立には、絹の布の上に絵が描かれています。



【食堂】
※ルイ14世の時代にはまだ食堂という観念がなく、国王が食事するところにテーブルを持っていき、食事が終わったらテーブルを下げるという方式をとっていました。ルイ15世の時代からはじめてひとつのスペースに家族が集まって食事をするスペースが出来る様になりました。ルイ16世はセーブル焼きに力を入れていたので、多くのセーブル焼きが置いてあります。


【檸檬の食器シリーズ】
※檸檬が上にのっている食器です。中にスープを入れていたそう。


※カップは、シャーベットを食べる器。当時からアイスクリームやシャーベットを食べる習慣がありました。お皿の上にカップを置いて食べていたそうです。


※真ん中にある器は、中に氷を入れコップを入れて冷やすためのものでした。なんと昔は、フランス人にとって恥ずかしいことに、当時は赤ワイン(ブルゴーニュ)を冷やして飲んでいました。


【カードゲームの部屋】
※金糸をたくさん使われているお部屋なので、変色しないように明かりを少なくして保存してあります。


プライベートな空間の「グランザパルトマン」の見学は終了となりました。いよいよ一般の方が見学できる箇所へ。

【パーティーに使用したお部屋】
※20年間居室として使われていた後、パーティーに使用。当時は18時からパーティーがはじまり、夏はジュース、冬はホットチョコレートを飲んでいました。チョコレートはアメリカからスペインに入り、フランスに入ったもの。ルイ14世の奥様がスペイン人だったので、奥様を通し、スペインからフランスにチョコレートが入ってきました。



【鏡の回廊】
※シャンデリアが輝く鏡の回廊は圧巻。当時は鏡を作ることが出来ず、ヴェネチアから輸入しており、とても高価でした。大きな鏡はまだなかったので、全部で351枚の鏡が使われています。


【ヴェルサイユ宮殿の回廊・絵画】
※ヴェルサイユ宮殿の回廊は特徴的で通常ですと、壁にかかっている絵画が天井に描かれています。


【他に駆け足で数々のお部屋もみせていただきました】






今回、このような貴重な空間を拝見できてとても光栄でした。

ヴェルサイユ宮殿
Place d'Armes, 78000 Versailles

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西 理恵

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