10年住みなれた 家を追い出され
突然 知らない所にやってきて…
ボロボロに抜けた歯と
酷い歯肉炎
ナナは
何を思っていたんだろう…
今日は譲渡会…
朝
ナナに点滴をして…
「行ってくるね…すぐに帰ってくるから」
…と声をかけ家を出ました
幸せの切符のメンバーさんのご厚意で
参加猫ちゃんを預け
ナナのお世話に
一旦 うちに帰ってきました
「ナナ…ただいま…」
ケージをのぞくと 中で力なく横たわったナナが…
ナナ…
ケージを開けて
大きな声で呼んだら
ヨロヨロと私の前まできて
そこで横たわり
急いでナナを抱きしめたけど
そのまま動かなくなってしまいました
ナナは
虹の橋を渡って行ってしまいました
身体が辛いのに
帰ってくるのを待っててくれたんだね…
せっかくみなさんが ナナを
応援してくださったのに
救えたはずの命だったのに…
私は ナナを 助けてあげられませんでした
どんな時も
「それがせめてもの救い…」
というものが ひとつはあるものですが……
ナナには
それがありません
ナナは
人に裏切られ 捨てられたという思いのまま
旅立って行ってしまいました
ナナの記憶の最後に残ったものは
なんだろう……