ユメくんを失ってから3週間以上、



ユメくんとお別れをしてから、2週間が経ちます。





未だユメくんを想って泣かない日はありません。





でもね、


ユメくんのために貴重な時間を使って
コメントをくださったお友達や、
一緒に泣いてくれたお友達にも




ユメくんの最期をお伝えするコトにしました。














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これは亡くなる前日のユメくん。


ホントは身体中に毒素が回り、辛いはずなのに


時々いいお顔を見せてくれました。









それでもやっぱり







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どうしても重心が傾いてしまいます。



我が子の苦しむ姿に
思わず目を背けたくなるけど

ユメくんを家族に迎えるって決めた時に


【何があっても目を背けずに受け止める】

そう決心したんです。


ユメくんにバレないように涙を拭い、


『ユメくん、大丈夫だよ。』

『頑張ってくれてありがとう。』

優しく声をかけると、ユメくんはゆっくりとため息をついたり
見えないオメメを動かして
アタシの顔を探したり…。



声を殺して頑張ってたけど
ユメくんの胸に、お腹に涙が落ちます。




この日の夜は一睡もせずに苦しむユメくんを
励ましたり抱きしめたりしながら
最後の朝を迎えました。







空が白々と明けはじめ…。







苦しむユメくんをそっと抱き、朝一で病院へ向かいました。





先生はユメくんとアタシを気遣い、
『さぁ、少しでも楽になろうね。
点滴頑張ろうね。』

そう言ってくれました。



ユメくんを病院に預け、泣きながら家路を辿りました。





夕方のお迎えには、
アタシの足を気遣ってくれたしらすが運転手を買ってでてくれました。











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病院に着くと、苦しそうなユメくんがいました。



『後はユメくんの体力頼みかな…。』

いつも明るい先生が静かに仰りました。






食いしん坊なユメくんが3日も飲まず食わずで、

毎日朝晩飲ませていた痙攣抑制剤も3日飲まず…。


もうこの時点で限界は超えてるはずでした。





もし、これで痙攣が起きてしまったら



きっとユメくんは苦しみながらいなくなってしまう…。



そう思ったら涙が止めどなく溢れました。






先生にお礼を伝え、
2度めの家路を戻ります。







そして家に着いた途端、












ユメくんの呼吸が、心臓が、







ユメくんの命が静かに終わりました…。











全身から全てが抜け落ちたユメくんを抱きしめました。






『ユメー!!』


自分の絶叫が遠くに聞こえます。




心は凍ったように痛く、
体は引きちぎられたように熱い痛みに襲われました。







滑り落ちそうになるユメくんの亡骸を、力を込めて抱きしめ



『頑張ってくれてありがとう。

苦しかったね。


もう楽になったんだね。』



そう言って何度も何度もキスをしました。







死後硬直の始まる彼の体を無意識に温め、



あぁ、もう温めなくていいんだ…。

温かくならないんだ…。

ふと気付く度に、
例えようのない淋しさと、大きな悲しみに飲み込まれました。





冷たくなっていくユメくんの体を
いつものように右腕で腕枕をして

左腕でそっと抱き寄せながら

ユメくんの耳元につぶやきます。





『なんでママンを置いていっちゃうの?』





もう、ユメくんは応えてくれません。




この日からアタシは
いつ寝て、いつ起きているのか、
その境目すらあやふやな毎日を過ごしていました。








ユメくんが亡くなって最初の金曜日、
自分を保つためにも、毎週治療を受けていたペインクリニックには通うことにしました。




淋しがり屋のユメくんを
独りぼっちに出来なくて、

9年間お世話になった先生に、最期のお別れも兼ねて
今まで通り一緒に出かけることにしました。



アタシ達が病院の駐車場に着くと、偶然にも院長先生が病院から出てきたところでした。





『最期のお別れに来ました。』

そう言ってユメくんを見せると


院長先生はユメくんを抱きかかえ、病院へ戻って行かれたのです。



慌ててアタシ達も後を追うと












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今にも泣き出しそうな表情でユメくんを見つめ、

涙を堪えてから、

いつものように、ユメくんに沢山しかけてくださいました。




子煩悩な先生、
ご自分のお子さんで慣れてるのでしょう、

ユメくんを抱く姿は、まるでおじいちゃんが孫をあやすかのように
優しく、愛しそうな表情に…。













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『きれいな顔してるね。』

そう言ってくださった先生。


アタシが
『オメメを閉じさせたの。』
そういうと

『普通はもっと苦しそうな表情になるんだよ。』

と、説明してくれました。













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『ぐっすり眠ってるような顔してるね。


今にも大きなあくびをして「よく寝たー!!」って起きてきそうだ…。』


それはアタシを喜ばせるためではなく、
無防備で無意識に溢(こぼ)した、素直な先生の言葉でした。




病院の そこかしこにユメくんとの思い出が溢れていて


お世話になった先生やスタッフさんに
今までのお礼をきちんと伝えたいのに
胸が張り裂けそうになり言葉に詰まります。


そんなアタシの気持ちを察してくださった先生方…。

言葉に出来ないくらいの感謝の気持ちでいっぱいです。





いい先生に出会えたアタシ達親子はホントに幸せでした。







そして、

ユメくんの亡骸が火葬されるまでの数日間も
アタシ達は今までと変わらない時間を過ごしました。


頑張ってくれたユメくんには
『ありがとう。』
『ユメくんはママンの自慢の息子だよ。』
『愛してるよ。』
を伝え、



大好きだったユメくんのおでこやほっぺ、お腹にキスをしたり


ユメくんの肉球でアタシの顔を触らせては

『これがママンのおでこ、これはママンのオメメ、ここはママンのお鼻…。

忘れないでね。』

と1日に何度も触らせたり…。





お別れまでの時間を大切に過ごしながら

お別れした後の自分が自分を見失わないよう、


これまでの時間をなぞり、それらのどれひとつをも忘れないように、
覚悟をするための時間にしたのです。









そして、


お別れの日…。












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いつものようにユメくんを抱っこして








向かう先は火葬場…。












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お花に囲まれて

ただただ眠ってるかのようなユメくんと


ついにお別れをしなくてはなりません。






この後、ユメくんを火葬台に移し
お花やゴハンを添えて、



アタシは事前に一掴みの自分の髪を切っておいて

それをユメくんの体に、そっと寄り添わせました。




『いつでも生まれ変わっておいで。


その時、


もしまたママンの子供に生まれて来てくれるなら


この髪を目印に、ママンのところに来てね。』




ダメな母親だったアタシを頼ってくれるかわからないけど



誰にも負けないくらいの愛を注いだことだけは自信があるから


『ぼくは誰よりも強く深く愛されてたんだ!!』って
あたたかい気持ちになってくれたらいいな…。



もうすぐ灰になってしまうユメくんの亡骸を撫でながら、最期のお別れをします。






『それでは合掌してお別れになります。』


係りの方が、淡々としたトーンで最後のお別れを促します。



アタシは身体中から力が抜け、血の気が退くのを感じながらも


自分以上に大切に愛したユメくんの体に触れます。




無情にも、ユメくんを乗せた火葬台は動き出し


アタシの手から静かに離れて行きました。



『ユメが消えちゃう…。』

溢れる涙でユメくんが霞みます。








そして…。




『ガシャン!!』



大きな音をたて、


ユメくんを飲み込んだ扉が閉まります。





この後のことは覚えていません。



ただ、冷静を保つことだけに集中しました。






30分を過ぎた頃でしょうか、



アタシ達は別室に呼ばれ





そこにはお骨と灰になったユメくんがいました。



どれがどこの骨なのか説明を受けながら



アタシは小さな骨を選んで、遺骨ペンダントに入れました。













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『またずっと一緒にいられるね…。』






ユメくんのお耳の後ろの柔らかい髪(?)も
太陽の匂いのするお腹の毛も
しっとりした まぁるいお鼻も
ぷにぷにの肉球も
ほっぺを触った時、アタシの手をギュッと締め付ける柔らかい腕も



もうどこにも無いけれど









これからもアタシ達はずっと一緒にいられる…。










だけど…。













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もう一度会いたい…。








抱きしめたい…。







叶わない願い…。









ユメくんを愛してくださったお友達にお願いがあります。








春になったら桜の下で楽しそうに歩くユメくんを忘れないでやって下さい。





夏になったらベランダDEプールを楽しむユメくんを忘れないでやって下さい。





秋になったら落ち葉を踏みしめ、その音を楽しむユメくんを忘れないでやって下さい。





冬になったらサンタさんに扮したり干支に因んだ服を着たユメくんを忘れないでやって下さい。









時々でいいから…。








頑張って生きていたユメくんを思い出してやって下さい。