おさかなが空を泳いでいる
 僕が指でなぞっている
 どこかから響く踏切の音
 空がゆっくりと紅く染まる

 柱時計の針がぐにゃりと曲がって
 僕はここがどこか分からない
 電車は海の中に沈んでいく
 ケタケタと笑う人形たち

 足跡たちが追い抜いていくから
 僕はどこに行くのかも分からないよ
 靴の中には水がたっぷり
 段々と何もかもが楽しくなる

 砂漠ではお祭りが始まっていて
 僕は全然間に合わないや
 ガイコツたちが肩を組んで歌っている
 そんな壁の絵を見ている

 唯一の友達は無口だから
 影が代わりに手を叩いている
 ゆっくりと窓から去っていくよ
 いつか話せたらいいのにな

 斜めに立って日時計の真似
 けれどもう遅かったね
 もうお日様は沈んでしまった
 みんなどこかに行っちゃった

 1人で影絵ばかり見ている
 水たまりは消えていく
 柱時計はデタラメに針を指している
 お魚は僕の隣で寝息を立てている