先日実家で見かけて。
持って帰って久々に読み返しました。
今までに5〜6回は読んでいると思います。
言わずと知れた
元北朝鮮工作員の金賢姫の手記です。
北朝鮮にて18歳で工作員に選ばれ
ソウルオリンピック妨害のため、
1987年に大韓航空機を爆破。
犠牲になられた方達115人。
乗員はなんの思想もない労働者たちばかり。
韓国での取り調べで自白。
死刑確定後、大統領特赦を受ける。
⬆小学生の時、この映像をニュースで見てびっくりした。
口に何されてるの❓❗怪我❓みたいな。
(自白させる必要があるので、自殺防止用のプラスチックを口に入れさせられていた。)
あまりの異様な姿。
子供心にはショックでした。
『変なおばさん(25歳だったけどおばさんパーマに見えた)』
と思っておりましたが。
その後
自白し記者会見も開きました。
おばさんではなく、めっちゃ美人だった…。
しかし美人。
美人。
日本語上手だし、
柔らかいトーンの喋り方なんですよね。
あまりの美貌にプロポーズの手紙まで来たらしいですよ。
持ち上げるのは不謹慎ですが、
やはり美人…。
そして賢くて美人だからこそ
工作員に選ばれたんですよね💦

実家には母のドキュメンタリー好きにより、
脱北者や拉致被害者の方たちの手記が
わんさかありました💦
おかげで私も出回ってるものは
ほぼ読んでると思います。
その中ではかなり古い部類(発行1991年)に入る、
『いま、女として』を
私が何度も読んでしまうのは、
金賢姫の《真面目さと純粋さ》に
惹きつけられるからなんです。
南朝鮮(韓国)は
乞食や売春婦がうじゃうじゃおり、
外国の借款でやりくりしている国!
だから我々の国は素晴らしい!
と教え込まれてきたのに、
韓国に実際に来てみると、
各家庭にTVや冷蔵庫がある、
砂糖がある油がある車がある、
そして人民が自由で表情がイキイキしている。
他にもたくさんあるのですが。
韓国製の下着が可愛すぎて
アクセサリーにしたいと思ったり、
コーヒーを飲んだ後の紙コップを
もったいなくて捨てれなかったり、
自分の国を貧しいとバカにされて自尊心が傷ついてみたり…。
偽ることなく隠すことなく
素直な感情を綴っていて
本当に驚いている顔が浮かんでくるんですよね。
私だったら
自分を大きく見せたくて少し隠したいなー
なんて思うかも💦

ありきたりだけど、
数奇な運命を辿った人だと思います。
特赦後は結婚し一男一女に恵まれますが、
自分が殺人犯であることの葛藤、
祖国への怒り、
そしてもう会うことの叶わない家族たちへの思いは尽きず。(どこぞの収容所に送られたのでしょうね)
読んだあとは毎回
いつか解決するし
朝鮮半島は統一されてほしい
と思うけれど、なかなかですよね。
そして朝鮮の分断には日本も責任があり、
なんとも言えない気持ちになります。
日本語を習ったのは何十年も前なのにすごい。本当に賢いんだと思います。)
続編の
『愛を感じるとき』
『忘れられない女(ひと)』
も胸に響く本です。