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夕方、仕事部屋の窓横の軒に猿が座っていた。

久しぶりの登場に、どきどきしている私のことなど意に介さず

「ああ、夏が終わるんだなあ、あの深い海の色はもう秋だ」と

感慨にふける姿。遠いまなざし。

いやいや、と私は工藤直子の詩「てつがくのライオン」を思い出した。

彼(または彼女)は思惟する姿を私に見せたいのかもしれないな、

とおかしくなった。

 

小田原便りをときどきアップします。

担当はいもあん。アシスタントです。