ショウガイシャは、控えめじゃなくては
いけない。

いつもニコニコしてなくては
いけない。

ショウガイシャは、助けてもらうばかり。

いつもありがとうと言って行けなければ
いけない。

ショウガイシャは、健気でないと嫌われる。
ショウガイシャは、頑張ってないといけない。
ショウガイシャは、×××。
ショウガイシャは、○○○。

ショウガイシャという着ぐるみを
着せられて、24時間テレビに出て、
お金をもらって、道化師として行きて行く。

本当の私なんて、誰も見ていない。
本当の私なんて、誰も愛してない。
本当の私なんて、誰も必要としていない。

ショウガイシャを、妻に持つ、
エライ俺。

その夫の期待に演じつつけたのが、
私の結婚。

家庭は、その舞台。

幕が降ろされるのは、いつだろう。

ゆらゆら、ゆらゆら、
深海を漂っている私。

海藻も無い、魚も居ない、光も届かない。

助けて欲しかったら、魚がいるところまで
浮上しなくちゃ。

だけど、今の私は、ヒレも傷つき、
泳ぐ力が残っていない。

海の中では、泪をこぼしても
誰にも見えない。
だから、誰もやってこない。

ゆらゆら、ゆらゆら。

ここまで来たら、もう傷つけられる
こともない。海の流れは限りなく、
やさしい。

ゆらゆら、ゆらゆら。

時間だけが、さらさらと海底の砂と
一緒に流れて行く。