小さい頃から苦手だった父親が今現在病院であの世に行きかけてる。
いい思い出なんか頑張って思い出そうとしても嫌な事しか思い出さず、中学校の頃は父親のストレスで胃腸炎になってうどん一本すら飲み込めず、強制的に外食に連れ出されてはトイレでもどすか、どうにか食べられますようにとお祈りしてた。
「吐いてもいいから食え」
と、ワケのわからん事を言う親父が本当に大嫌いで、ろくに食べてもないのに胃薬を飲まないと気分悪くなりそうで怖くて胃薬のせいでお腹を壊すと言う青春時代。
おかげで食事が苦手になり、外食はしばらく何年かできなかった。
レストランに入るだけで頭がクラクラした。
まぁ、そんなんも克服し、友達と外食も普通にできるようになったわけで、親父の存在自体どーでもよくなってきた頃親父に癌あり。
癌発見後も10年以上生き続けた親父は完全なアル中のためたまにぶっ倒れては頭割ったりして何度も救急車のお世話になったりしつつサバイブ。
それが今本当にヤバイらしく、無菌室で血吐いて輸血とかしてるらしい。
いよいよか、と。
もっと、やっぱりいよいよの時は自分にも気持ちの変化があるかと思ったけど無かった。
驚くほどない。
17年連れ添ってくれた愛犬がいよいよの時はこのまま一緒に逝ってもいいと本気で思ったし、多分一生のうちで一番泣いた。
それはもう、涙が無くなっちゃうんじゃないかと思うくらい。
私はきっと親父が逝っても泣かないだろうし、仕事にも行く。
私と親父の関係はこんなものだったんだなー、と改めて実感した。
その間際、看取るつもりはないけどもしそうなったら、今まで言われてきた散々な言葉のお礼を言わなくてはなるまい。
お前は娘からこう思われてたのだと。
