わたしが低学年の頃、一人でドライヤーをあてて髪を乾かすようになったときの話。


わたしは癖のように、自分の髪の内側から外側に向けてドライヤーを当てるようになっていた。

それを見たわたしの父が、ドライヤーは外側から風をあてるほうが早く乾くに決まってる。そう言われてわたしはいつも怒られていた。ドライヤーのあて方如きで。

はっきり言って、そんなのどっちでもいいよね?自分の髪だし。

でもね、そうなってしまったのには理由があって…


まだ幼稚園児くらいの頃、風呂上がりに、わたしの父がわたしの髪を乾かしてくれていた。外側からドライヤーをあてて。

早く乾かしてあげようと思ってくれていたのだろうが、ドライヤーと地肌の距離が近過ぎていて、しかも1箇所に集中してドライヤーをあてていたせいで、わたしの頭皮は悲鳴をあげていたんだ。熱すぎて。

幼いながらに父は怖かった。逆らうことなんて、到底できなかった。

だから、一度だって、「熱い」を言えずにひたすら耐えていたことを憶えている。


一人でドライヤーをあてることが許されてからは、自分の頭皮ファーストでドライヤーを使えると嬉しかったんだろう。そうならないためには、内側からドライヤーをあてればいいと学んでしまった。

癖とは怖いもので、そんな理由から内側からのドライヤーとなったわたしを父は見逃さなかった。それ以降、毎日ドライヤーのことで怒られる日々となったのだった。

何度怒られても、自分の頭皮を守ることを選んだのだ。

これも一つのトラウマとなった出来事だった。