前回、気づいたら買っていた、を実現するために

クリアしなければならない条件を5つ挙げました。

 

 

長期間(2週間以上)迷う
ひたすら知識を詰め込む(調べる)
一度諦める(冷静になる)
得をした気持ちになる
購入はオンラインショッピング

 

こちらをたっぷりと説明してまいります。


①長期間(2週間以上)迷う
やはり、気づいたら買っていたと感覚を持つにはある程度の逡巡は必要である。

パッと買ったのであればそれはもうただの衝動買い。

便宜上2週間としたが、これは別に10日間でも1週間でもいい。個人差OK!

ことさらに悩んで迷ってほしい。
ここでの苦悩が喜びでもあり、のちのちの美しさを過剰に演出する役目も果たす。

目当てのものを活用して豊かになっている自分自身の生活を思い浮かべてほしい。

②ひたすら知識を詰め込む(調べる)
①で迷っている間にちゃんと調べてほしい。
メーカーの公式ホームページはもちろん、それを使って生業としているプロの方々のYouTubeやブログ、インスタ。
浅い知識で間違った適当なことを言っている詳しくない方々のそれも含めて、網羅するように情報を詰め込んでほしい。それはそれで情報として価値があります。
この時点で自分にとって不必要でないかの、ふるいにかけることもできる。

調べた結果、要らないなと思えるのであればきっと買わない。
結局調べる興味も湧かないものを、気づかずに買うなんてことはできないのである。
この②の段階でとても重要な儀式がある。
調べる過程で、自分が欲しいなと思っている物のいわゆる1ランク上、2ランク上、

ハイエンドの物もちゃんと調べることである。

①で想像した豊かになっている生活の中でステップアップしていく姿を加えてほしい。そうすることでハイエンドと自分が欲しいランクとの、機能上の違いなども理解することができる。

そしてこのハイエンドを知る儀式がのちに④の条件で輝いてくるのである。

③一度諦める(冷静になる)
これは単純に金銭的な理由でもいい。理由はなんでもいい。

よーーーく考えた結果、一度諦めてほしい。
後から振り返って、あれは冷静になったと思いたかっただけなのかも、と感じてもいい。(結局買うから)
でも、ここでは心の底から冷静に本気で諦めるのである。
やっぱ買うのやめよう、今じゃないかもしれないな、、、。
よーーーく考えてそれに気づくのである。

この「よーーーく考える」というのは買い物だけでなく
人生においても、とても大切だと思います。
よーーーく考えることの大切さに私が気づくきっかけになった胸熱エピソードもありますが、それはまた機会があれば。

ここは最重要なプロセスと言ってもいい。
②の条件を達成してきたあなたは、欲しいものが自分にとって要らないわけではない、少なくともあってもいいかなとは思っているはずである。
諦めるという行為で、自分にとって必要か否かを改めて認識するタイミング。
一度も諦めたこともないものを、気づかずに買うなんて出来ないのである。

そんな虫のいい話はない。
結婚してない人は離婚もできないのである。

④得をした気持ちになる
お待たせいたしました。やっと買います。
でも誤解をしないで頂きたい。
気づいたら買っていた、だから得をした気持ちになる、ではないのです。
得をした気持ちになったから、気づいたら買っていた、なのである。

『もうええからさっさと黙って買えば?』
『もうお金出したるから買え!』なんて声が聞こえてきても
ここに辿り着いた、まだ買っていないあなたはすでに
脳内では何度も何度も買っているはずである。
その買ったものを活用して、一人で楽しんだ、
友達と楽しんだ、恋人と楽しんだ、家族と楽しんだ、
思い出すだけで、胸がキュンと狭くなる(yui)
感動するような、甘酸っぱい脳内だけの思い出も
ちょっと照れるような失敗談も、いくつも持っているはずでしょう?

たぶん気づいてないでしょう?(yui)


もしかしたら買ったものにまつわる思い出し笑いなども経験しているかもしれない。その世界線のあなたをこちらの世界に連れてくる時がついに訪れました。
これは箱の蓋を開けることで箱の中の猫の生死を確定させるという

あの迷惑な行為理論にも似ています。

あなたはすでに脳内で買っている。支払っている。
加えて現実に支払いをすることでそれを確定させ
得をするのです。

仮にあなたが脳内で買ったものが25万円だとして
現実に支払うのが12万円だとしたら?
250,000円 ー 120,000円 = 130,000円
あら不思議

あなたはなぜか13万円持っているのです。
13万円も得している。
13万円という金額は大きいですよ。
13万円得したいですよね?
そのためにはどうしたらいいのでしょうか?
そう、12万円支払って買い物をすればいいのです。

こういうことを言うと、いやいや、と ちょっと待て、と
12万円買わなければ25万円の得じゃないか』と
言う人が出てくるかもしれません。
そんなことを言う人たちには、こちらこそ言いたい




本当に?
本当にそれで25万円得していると思うの?
よーーーく考えた?
本当にそう思うの?
何才?

 

 

 

12万円払ってないから25万円得している、と言いますが
それは妄想なのでは?
一体あなたは何を手にしたというのでしょうか?
12万円の欲しいものすら手にしていません
では12万円支払っていた場合はどうでしょうか?



12万円の買い物をしたのですから
12万円の欲しいものを手にしています
あなたはすでに脳内で25万円支払っているのですから
12万円支払うことで13万円戻ってくるのです。
つまり現実に買うから、現実に得をするのです。
私のカメラを例に挙げて具体的なケーススタディをしましょう


私の欲しいカメラでハイエンドと言えば、アルファ7C m2でした

 

 

世界のSONYが誇る立派なカメラである、めちゃ高い。
レンズも含めれば約30万円します。
脳内で私は買いました。何度も買いました
それは私にとってのハイエンドです、めちゃくちゃ綺麗に写ります。
所有欲も満たされ、胸はいっぱいです。
しかし、この買い物は何度繰り返しても

だいたい3つの問題が私を苦しめるのです。


(問題1)
いくら脳内であっても現実的に30万円の買い物は私には金額が大きすぎる。しばらくは悦に浸っていても不安になるのです。1回だけの30万円の支払いは別に問題ない。クレジットの与信枠もある。でもそういうことじゃない。
つまり30万円のカメラを持つ器が私にはないということです。

(問題2)
ハイエンドのカメラはレンズも高級なのです。
レンズも買ったと言っても入門用の安いレンズです。
写りも用途も限られます。

でも初期投資で30万円も使っているのでおいそれと次のレンズは買えない。
せっかく買ったカメラなので、さも楽しそうに写真を撮ってはいますが、

心の中では、こういった写真も撮りたいのになー、
ああいったものを写せるレンズがあればなーと常に不満を抱えています。
それに耐えかねてやっとの思いで別のレンズを買ったとしても、手の届くのは入門用の安い(高級)レンズなのです。
また、この手のカメラはシャッターを押して写真を撮ったら終わりではなくて。
lightroomなどのソフトウェアを使って編集して現像することも楽しみの一つなのですが、これも課金しないと満足には使えません。私はこれをケチります
さらに(問題1)で抱えた不安は常に心にあります。
不安と不満を両手に持った私は、良いレンズを持った人たちを妬むようになります。家族ともギクシャクしだします。
突然、禁煙し始めたりしますが、それも長続きしません。

(問題3)
ハイエンドのカメラは大きくて重いのです。
もちろんレンズも同様です。

そしてハイパー高級品なので慎重に持ち歩かなければなりません。

おっちょこちょいな息子はそんなカメラを蹴とばします。
慎重に、なんていいながらもマヌケな私は息子が蹴とばしそうなところにカメラを置きます。
そんな自分を棚に上げて、私は声を荒げて息子に怒るのです。さすがに手をあげたりはしませんが、そんな自分を自己嫌悪します。また、家族がかわいがっている猫のことも嫌いになります。(箱に入れて蓋を開けたろか?)
そして重い精密機械を私が持ち歩かなくなることは歴史が証明しています。

しかし性格を考えると私は使わないカメラを売るということをできないでしょう。
ふたたび転勤のたびに段ボールに詰められて「壊れ物」と書く未来がやってくるのです。

ああ、こんな辛い思いをするのであればカメラなんて買わなければ良かった。

(文字を打つだけでも悲しかった)
でも安心して!これは脳内の話!ああ良かった。
30万円もするカメラなんて買ってなかったんだね。
というわけで、次の私はハイエンドではなく2ランク上のカメラを買います

 


アルファ6700

 

 

こちらは25万円です。

すでに脳内で30万円のカメラを買っている私は脳内で5万円得をします
(もう意味わからんくなってきた)
5万円得をした私はよろこんでカメラを持ち歩きます。
しかもこのカメラは軽いのです。素晴らしいカメラ。
そんな脳内で満喫していたある日、現実世界でとんでもないものを目にします。
神レンズと称される社外品のレンズとセットで23万円のセールをやっていたのです。
さらに2万円の得
私は過去に登録したソニーストアのログインパスワードを執念で見つけ出し、クーポンでもう1万円得をします。
しかも分割手数料も無料という、もはや買わない理由を見つけることすら難しい状況。現実の私はソニーストアの買い物カートの中に入れるところまでいきました。
あとワンタップすれば、憧れのカメラが家に届くのですが私は買いませんでした。
このとき私は酔っぱらっていたのです。
昼間っからウィスキーを飲んでいた私は酩酊しており、
しかし、酩酊していたからこそ、思いとどまります。
この時お酒を飲んでいなければ間違いなく買っていた
(8万円得をしていた)でしょう。
さて、酔いが醒めた翌日になっても私は買いません
ちょっとここはうまく説明できないのですが。
きっと面倒くさい性格の私はあの、どうしても欲しい!という気持ちや高揚感が

お酒のせいだったのではないかと少し疑ってしまっていたのです。
いくら8万円得をすると言っても疑いの気持ちのままでは買えません
これでは、迷いながらも買ったになります。
気づいたら買っていたを実現する道は極めて険しく極めて厳しいものなのです。


そんなときに、もはや天命と言ってもいいlumix G99 m2と出会うのです。

 

 

おお、Panasonic
おお、松下幸之助
まさに五里霧中だった私の「道をひらく」を体現してくれたのです。

 

道をひらく

まじでバイブル

12万円のカメラを気づいたら買っていた現実の私は
極めて冷静に楽天マラソンを楽しみながら
必要なグッズも買いそろえて楽天ポイント
脳内での18万円のキャッシュバックとともに
妻のイライラ感までテレパシーで受け取ったのでした。

 

 


これが私の気づいたら買っていたカメラの例です。
私は12万円のカメラを買い、18万円得をしました。
18万円得をするのだから気づいたら買っていたのです。

次は、先日気づいたら買っていたカメラレンズ(2)に行きます。
このレンズも1ヵ月弱は迷っていたでしょうか。
こちらにもちゃんと格上の比較レンズがあったのです。
ライカ DG NOCTICRON 42.5mm/F1.2

およそ13万円。
勢いで買いそうになったが、13万円である。
おいそれとは買えない。
13万円を気づかずに買うことはなかなか難しい。
たまちゃんパパの敬愛するライカの名を冠するレンズ。
ライカが監修し私の愛するPanasonicが作っているレンズである。
(もちろんPanasonicの中の人がライカの監修に
 食らいついて苦闘するエピソードも調べて読みました)
ここでも私は脳内で13万円を支払い済み。
あとは差額を回収するだけである。

結局買ったのはルミックス G 42.5mm/ F1.7

 

 

こちらである。新品で3万円。
新品で買っても10万円得することは確定していた。
これに関してはひたすら迷ったので、毎日のようにメルカリもチェックしていた。
相場はだいたい2万5千円であった。
もう2.5万円程度であれば迷わず買ってもいいのではないか、と毎日のように天使が囁いていた。
っていうか、もういっそ新品買ったらいいじゃないか、と悪魔も囁いていた。
天使でも悪魔でもない私が抗っていた。

そんなときである。
連休を取ることになった。しかし平日なので家族のもとに行っても、子供たちは学校である。妻だって仕事だ。
私は一人で温泉でも行こうかと考えた。
目的地を決めないとどうせ引きこもって連休終わる。
単身赴任先から車で3時間はかかるだろうか、山奥の源泉かけ流しの温泉旅館である。ちょうど予約も空いている。
夕食もなかなか豪華である。
プランを練り、グーグルマップに保存した。

しかし連休初日、起きたら昼の12時を過ぎていた。
連休に喜んで夜更かししすぎたのだ。
前夜気づいたら買っていたあのIpadminiで
衝動買いしたガラスの仮面全巻を読み返していたのが仇となったか。
しかも、お風呂にも入っていない。
これから温泉へ行くのに、まずはシャワーを浴びるバカバカしさに

私の気持ちは急速に萎んでいった。
「もういいや、お風呂ためてBARTH入れよ」

 

こうして私は往復の移動6時間を取り戻した上に
炭酸湯を堪能しながら映画まで見たのである。
嫌な予感がしていたので旅館は予約してなかった)

ここであることに気づく。(買い物には気づかないくせに)
「旅館代って2万円くらいやったよな?」
単身赴任なのにわざわざ声に出す。
「車で行くってことはガソリン代もかかるよな?」
「高速走ったら高速代も払うよね?」
気づいたら2万円以上の原資を手にしていたのだ。
そしてさらに気づいたらレンズを買っていたのだった。
温泉旅行と相殺したら実質タダどころか
脳内で買った13万円も戻ってくる。

世界に誇るトヨタ自動車の人がインタビューにて
ライバルを問われた際の記事を見たことある。
『ライバルはスマホです』と答えていた。
トヨタの人が言うには、これからは時間の奪い合いであり

車を運転する時間の敵はスマホなのである。
そして私のレンズの敵は温泉だったのである。
うーん、マーケティング。

カメラとレンズのエピソードだけを見ると
(カバンもか、、、)

 

ダメ人間のように思われるかもしれないが
先日リストアップした買ったものを思い出してほしい。

今年私が気づいたら買ってしまっていたものの一例
・Ipadmini
・カメラ g99m2
・栃木レザーの鞄
・ロジクールのキーボード MXkeys mini
・カメラレンズ(1)
・カメラレンズ(2)

ちゃんと身の丈に合った買い物をしている。
車、宝石、ブランド品など破滅にいざなうものはない。

そしてどれ一つとっても後悔はない。
気づいたら買っていた、にはこういった効果もある。
徹底的に脳内で買い物を繰り返すことによって
家族を破綻させるようなものは買っていないのである。
顰蹙は買っているかもしれない。

気づいたら買っているためには自分自身と向き合うことが必要。


⑤購入はオンラインショッピング
気づいたら買っていた、というのに靴を履いているのはあまりにも無理がある。

白々しくない?

靴を履いて外に出ているようでは、それはもう語るに落ちるというか、買おうと思ってますやんか、と感じてしまう。

それを買うつもりで靴を履いたんじゃないのかな、と。
思わず買ってしまっている自分の姿を全く想像さえもしていなかったのかな、と。
それは大人としてどうなん?って思ってしまいますね。

もちろんたまたま出かけたカフェでスマホ見ながら買っちゃったって言うなら靴は履いていてもいい。
靴は別にどうでもいい。
いやいや買うつもりはなかったのだ、と
そんなつもりもなく靴を履いて外へ出て、欲しいものを売っているお店に情報収集の一環として行っていたのだ、と。
そこであくまでも④の条件が発動して買ってしまったのだ、信じてほしいのだ、と言い張るのであれば、まぁもう認めてあげてもいい。かなり怪しいけど、、、。
そこまでして気づいたら買っていたのだと、どうしても言いたいのであれば

この⑤の条件は外してもいいです。
そういう場合、私は欲しくて買いに行ったのだ、と言いますが。素直に。

というわけで、この①~⑤の厳しい条件をクリアして
ありとあらゆる沼という沼に抗っているみなさまにも
ぜひ気づいたら買っていて欲しいなと思うのである。