
車が納車できた僕は、急に背中に羽が生えたような気分になった。
ラフティングのトレーニングは2~3日お休みして、ニュージーランドのシュートドライブの旅に出た。
去年ニュージーランドを旅した時に美味しい日本食レストランがクライストチャーチにあったのを思い出し、ピルフォレストから約2時間かけてクライストチャーチの中心街に向けて愛車を走らせた。
ニュージーランドではたいてい街から街の間は羊や牛やシカが放牧されている牧場か荒野にまっすぐな道が伸びている。そんな見通しのいい道を毎時100キロで走れるから走しりやすい。羊の子どもがぴょんぴょん跳ねている姿や、全長100メートルくらいの巨大な放水器があちらこちらで水を撒いているのを横目で見ながらひたすら突っ走る。急に70キロとか50キロとか制限速度の標識が目に入るので「ああ、街に入ったんだ」っていうのが分かる。地図を片手に街の中心に向かってハンドルを切ると見覚えのある通りに出てきた。「あっ、ここをまっすぐ行ったら目当てのレストランだ!!」そう思った瞬間。いきなり行き止まりになってしまった。大きな柵で道が遮断されていたのだ。大回りしてもその道の先には行けないようだった。バックパックを担いだ白人の女性が、柵の向こう側の街にカメラを向けているのを見て、「そっか、ここが今年の2月22日に起こった地震の一番ひどかった場所なんだ」と分かった。
クライストチャーチのシティーセンターは地震の影響で壊滅状態だった(+_+)
まだ建物は壊れたままで、ほとんど復興のきざしがない。
1平方キロメートルくらいぐるりと柵で覆われて街には全く入れなかった。神戸の震災の時は半年でほぼ復興していたから、「ほとんど地震があった当初から手を付けていないんだ!!」ってことにびっくりした。
近くにある日本人経営の宿の人に聞いたら、日本食レストランどころか、あの辺りにあったレストランやショッピングモールもすべてが無くなったらしい……。
去年とまったく違う無残な街の様子に、なんか悲しくなり、早々とこの場を去ることにした。
そこからいったんピルフォレストの近くまで戻り、更に2時間かけて移動し、今度はレイク・テカポに向かった。
レイク・テカポは、ターコイズブルーをたたえた湖に、サザンアルプスから連なる山々の姿が反射し、湖畔には小さなかわいい教会がひっそりとたたずみ、ルピナスの花が風景を彩る。ニュージーランドを代表する美景として有名だ。
僕が去年ニュージーランドを一周した中で一番印象に残ったまた来てみたいベストワンの場所だった.









