レラっタマログ。管理栄養士な2人の日々(´-ω-`) -99ページ目

イギリスレポート

私がイギリスのコルチェスターという都市の病院を見てきてこれぞと思ったことをまとめたいと思います。



まず最初に、イギリスというところは住民全員が医療費を国に対して一定額払わなければなりません。(短期滞在者や永住権の無い長期滞在者などの場合は不明)(一部看護師さんらの話によると給与の10%ぐらいだとか。累進課税制度)
その代わり、病院にかかったときに支払うお金は0です。お薬については基本的には支払うようですが、長い病気のときはよいのだとか。薬についての詳しいこと、正確なことはこれ以上はわかりませんでした。
これはNHS (National Health Service)という、名前がそのまま国による健康サービスです。
中には個人的に医療保険に入って全額自己負担でいい病院に入られる方も居ますが、それは本当に少数らしいです。
第二次世界大戦後に始まったこの素晴らしそうな取り組みですが、その背景には色々な問題もあって、一概にイギリスがいい、日本が悪いとも言えないような現状でした。
とりあえず思い出せるところからちょろちょろと書き残していきたいと思います。



①仲が良い
病院には看護師が居ます。そしてアシスタントナースという看護助手のような人が居ます。(研修をして認定されている資格を取れば投薬以外は出来るような看護師に準じる資格をとることもできます)看護師さんのお話では、「助手さんが居るから看護師が看護師としての仕事をやることが出来る。とても助かっている。」とのことでした。なるほど日本も同じような感じかなぁと思ったのですが、一番びっくりしたのが病棟での看護師さんとアシスタントナースたちとの仲の良さでした。
いや、看護師にとどまりません。ドクターなんか腕まで消毒できる服装なら白衣は着用しなくても私服でOKらしく、見た目も中身もとてもフレンドリーで、行きかう人皆さんとHi!なんてニコニコ挨拶をしていました。カンファレンスもドクターだけが発言権があるわけでもないし、「お互いが尊重しあいながら仕事をやっているのよ。」なんて看護師長さん。こんな状況、言葉だけなら日本でも聞いたことがありますが、実際の光景をイギリスで見た私たち看護学生は皆 (゜Д゜)という顔でした。
やはりイギリスでも、10年~15年前は「ドクターが一番」という感じだったらしいです。それが変わり、今のこの状態になったのだとか。なんだかあんな風に話し合いが出来たら、真に患者さんのためになるようなケアを出来るのかもなぁと羨ましく思ってしまった経験がまずひとつ。




②看護師長が素晴らしい
師長の後ろにくっついて病棟内を見学していたのですが、これまたドクターと似ていて、すれ違う人皆にちゃんと挨拶をするんです。「こんにちはー。」のような機械的挨拶ではありません。「Hi ! Joe !! How was your holiday??」という感じで、ちゃんと名前を呼んでそこで笑顔で会話をするのです。しかも、師長さんなんでこの方の予定まで知っているの?というような人とまで。(ポーターさんとか、患者さんのご家族さんとか、事務員さんとか)これは恐らく国民性だとも思いますが、師長さんにとっては「皆がここで働く仲間だから」という考えのようでした。きっと、これだけ仲が良かったら楽しみも増えるのかなぁなんて、表面上だけを見ていた私は思いました。日本ではせめて、相手の名前を呼んで挨拶をするようにしたら、ちゃんと自分に言ってくれている気がして気持ちがいいかもしれないですね。
師長さんのお話の中で一番感動したのが、学生や新人看護師を教育するときの考え方についてす。そのままを抜粋すると
「私は、自分がどんな看護師に看護されたいのかを考えて教育をします。それに人は皆、自分が憧れる人になりたいと思って成長します。だから、私は常にそのような存在で居なければいけないと思うし、嫌な看護師を見て成長するような時代は私の若い頃まででした。それから師長として、働く看護師一人ひとりのことをよく知っておく必要もあります。その情報は皆をひっぱって行くときに必ず必要です。」
ということでした。
意標をつかれた感覚でした。勿論私は人にものを教える立場になったことは殆ど無いし、その時でも見せる自分や教える内容などは考えてきましたが、私が意図してないところで相手に見られる自分を考えたことなど今までありませんでした。そのように自分を反省するのと、学内で教鞭をとる一部教員の傲慢さが虚しくなってしまいました。
似通ったもので、先日、ツイッター名言botにこんなものが流れてきました。
「自分が若い頃苦労したから部下も苦労しろって考えは間違っている。自分が苦労して10年で学んだことを、効率的に半年ぐらいで教えてあげて、残りの9年半をフロンティアに挑戦させてあげるのが、上司であり教員の仕事」
師長の発言にしろツイッター名言にしろ、自分の中に少なからずある意地やプライドや卑しい醜さの部分を丸々無視して相手のことを思うがゆえの心意気なのではないかと思います。
こういう考え方の人の下で学ばせてもらいたいと強く思うし、現実にそれが出来ないからこそ、自分はこのような考え方を吸収して実践していきたいと考えました。




③共通しているところや違うところ
まず決定的に違ったことは、看護師の雇用方法でした。
イギリスでは看護師の資格を取ると、とある機関への登録が必須になります。任意ではなく必須のようで、「まず登録して、そこから就職先を探すのよ。」といった説明を受けました。更新制で、ある一定の就業実績がないと、この登録は抹消されてしまいます。
医師に関しても同様で、(←これは文献より)、医療サービス自体が国での提供であることから、医療職者も国家公務員のような立場になるようです。また、残念ながら就職率は100%ではないようでした。看護師の数というよりも、医師の数不足が顕著なようです。(多国籍の医師登録がすごく多いのだとか)
また、専門分化がとてもはっきりとしています。
看護師になるためには、イギリスでは現在大学に行く以外に方法がなく(でも3年制)、成人なのか、小児なのか等、在学中に将来の方向を決めて学びます。そして卒後はその選択分野以外には就職が出来ません。もしどうしても変えたいという場合には、18ケ月の指定された勉強が要るらしいです。転科の場合もトレーニングが必要で、そのトレーニングを修了したことを証明しなければ転科しても給料が出ないそうです。厳しいようですが、このような専門分化は私は賛成です。特に日本の管理栄養士育成制度についてこのような分化方法を取り入れるべきだと思います。
また、医療サービスが国民皆が支払っているお金で動いているからこそ、その国民の声が強く医療に反映されます。
この点では、病院と国と国民がみんな意見を出し合って医療について考えているので、国民もただ医療費を支払って相手まかせにしているのではなく医療作りに参加しているので、良いことだと思いました。

共通しているところは、大学院でより高度で細かい専門性について学び、認定資格を得ることが出来る点です。
また、高齢化が問題であることも共通でした。しかしそのお話を聞いていたとき、日本の合計特殊出生率1.37ぐらいと、イギリスの2.0近い数字の差では、高齢化が将来的にもたらす様々な問題の程度は全然違うのだろうとぼんやり思ってしまいました。勿論程度は違えど、過疎地域が出てきてしまったり医療施設が偏ってしまうという問題はそれぞれ持っています。イギリスのように大病院と家庭医とでしっかりと組み分けがしてあり、大病院ではひとつの科に関しての専門医が沢山いるような医療体制で、今後どのような問題が生じてくるのかは分かりません。もしかしたら医師自体が増えなくて家庭医が減少→地域によって医療格差が出てしまう。なんてことも起こるのかもしれないし、もっと違う問題が出てくるのかもしれない。
やはりそれは医療を提供する制度自体がどうなっているのか、国の文化はどうなのか、国土と人口はどう関係しているのかといった様々な背景を各々の国で考えてみないとわからないもので、単純に国と国を比較はできないのだと感じました。



延々と書き続けているといつまでたってもこの記事をUP出来ないので、このぐらいにしておきます。


とにもかくにも、「イギリスに行く!」と決めて、イギリスの医療制度を勉強して、現地の人の実際の様子を見たりもっと詳しくお話していただいたりして、すごく良い経験になりました。
私は特別海外で働きたいとか、どこそこのグリーンカードが欲しいとかは考えていません。
国境無き医師団に入るんだ!というような情熱もあいにく持ち合わせていません。
ですが、知りたがりな性格です。疑問を持つとその答えをいつまでも求めて、仕舞いには何を求めているのかもよくわからなくなっても、何かを知って自分の糧にしてしまおうと無計画なポジティブシンキングで行動してしまう大人げの無い人間です。
でも、だからこそ得られるものが沢山あって、結局のところ【やってみなければわからない】という座右の銘に適った生き方をしているのだと思います。


さて、THE☆イギリスといったかんじの画像は、次の記事で上げておこうかなと思います^^