性同一性障害 戸籍変更と手術
04年7月の「性同一性障害特例法」施行後、戸籍上の性別を変更した約1200人のうち、性別変更の要件である性別適合手術を国内で受けた人が2割以下とみられることが、日本精神神経学会の調査で分かった。保険適用外で手術が高額になることや、実施施設が少ないためとみられ、大半が海外で手術を受けていた。国内の医療体制の拡充を求める声が高まりそうだ。【丹野恒一】
心の性と体の性が一致せず悩む性同一性障害の人は、全国に1万人以上いるとされる。司法統計によると、性別変更が認められた人は年々増え、08年は前年比1.57倍の422人。累計では1263人になった。
同学会が国内での性別適合手術(性器の切除、形成など)の状況を調べたところ、97~07年で220人にとどまり、全員が性別変更したとしても、国内で手術した人は2割弱だった。調査を担当し、自らも年間約1000人の診察や性別変更の相談に応じている「はりまメンタルクリニック」(東京都)の針間克己院長は「08年以降も含め、国内で手術をした人は1~2割しかいない」と話す。国内の手術の大半を手掛ける岡山大学病院の松本洋輔助教(精神科神経科)も「4年以上待ってもらわなければならない状況で、海外での手術を選ぶ人も多い」という。
性別適合手術は術後に深刻なトラブルが生じることも多く、「性同一性障害を抱える人々が、普通にくらせる社会をめざす会」の山本蘭代表は「海外で手術を受けた人が帰国後、意識不明となった事例もあった。手術を保険適用とすれば、国内で実施する医療機関も増える」と訴える。
調査は3日に東京都千代田区で開かれる「性同一性障害シンポジウム2009」で報告される。
ハリーベンジャミン国際性別違和協会の「治療の指針」を基に作成された日本 国内における「性同一性障害」への医療的アプローチの基準である、日本精神神経学会の「診断と治療のガイドライン」によれば、「性同一性障害」の診断は次のように行なわれる。
日本精神神経学会によるガイドライン
- 生活歴の聴取
- 性別違和感の実態を調査する。アメリカ精神医学会「精神障害の診断と統計の手引き
」第4版 (DSM-IV
) や 「疾病及び関連保健問題の国際統計分類
」第10版 (ICD-10
) を参考としながら、以下のことを聴取する。
- 自らの性別に対する継続的な違和感・不快感
- 反対の性に対する強く持続的な一体感
- 反対の性役割
- 身体的性別の判定
- 外性器の診察・検査
- 内性器 の診察・検査
- 染色体検査
- ホルモン・内分泌系検査
- 除外診断
- 統合失調症 などの精神障害によって、本来の性自認を否認したり、性別適合手術を求めたりするものではないこと。
- 文化的社会的理由による性役割の忌避や、もっぱら職業的利得を得るために反対の性別を求めるものではないこと。
- 診断の確定
なお、性別違和感に要求される「継続性」については、ICD-10
の「性同一性障害」(F64)の中の「性転換症
」(F64.0)の項に書かれている「2年間以上」という基準が参考にされることが多い
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