今週も無事に仕事が終わりましたグッド!

 

受け持った患者さんの一人は肛門癌を患っていて身体のあちこちに転移が見つかったのですが、壮絶な痛みに耐えられずに入院してきました。

 

彼女は私と同じ歳で、同じ病院でナースとして働いている人でした。

ただ我が大学病院はとても広いので、私は以前彼女とは面識はまったくありませんでした。

 

 

肛門(肛門管)癌は、HPVというウイルスが原因で発症するケースが多いようです。

この患者さんは抗がん剤放射線治療を受けましたが、その後合併症にかかって大変な思いをしていました。

まもなくガンが脊髄と肝臓に転移し、更には腫瘍が原因で尿路閉塞まで起こすようになってしまいました。

彼女の肛門からは膿のようなものが常に滲み出ている状態で、痛みのために身動きすることさえ大変な状態でした。

 

入院後、とにかく痛みを和らげるために、麻薬性の鎮痛剤を点滴と経口からの両方で投与することとなりました。

彼女に処方された鎮痛剤の量は、通常の人が摂取したら昏睡状態におちいってしまうくらいの量です。

 

 

しかしこの患者さんはそれでも痛みが軽減されることはなく、ずっと苦しそうに唸っていました汗

 

 

それで私も担当のドクターに何度も連絡を取り、何度か処方されている鎮痛剤について見直してもらうようにお願いしました。

 

ちなみにこの患者さんの場合は、疼痛と癌を治療するドクターが別々だったので、痛みに関しては疼痛専門医とコミュニケーションを取っていました。

疼痛専門医は度重なるリクエストにも、迅速にオーダーを入れてくれたので非常に助かりましたグッド!

 

 

しかし問題は、その日当直だった癌治療のドクターの方でしたあせる

 

実は翌日、この患者さんは肝臓に癌が転移している傾向があったので、バイオプシーを取る予定だったのです。

 

病院では翌朝にこのような処置がある場合には、大抵夜中の12時以降患者さんには禁飲食(NPO)してもらうことになります。

 

この患者さんは、この壮絶な痛みのせいもあると思うのですが、、、常に吐き気も催している状態でした汗

吐き気の薬も何度か投与しましたが、なかなか良くなりませんでした。

 

 

そんなとき、患者さんが言いましたニコ

吐き気が治まったら、少し何か食べてみたいと。

 

 

この患者さん、実は痛みと吐き気で入院してきて以来、ほとんど何も口にしていなかったのです。

そんな患者さんが自分から「何か食べたい」と言ってくれたのですビックリマーク

 

もちろん、空っぽの胃に鎮痛剤を飲むことも、もちろん吐き気の原因になってしまいます。

 

 

実は彼女が私にそれを話してくれたのは23:30のことでした。

あと30分後にはNPOとなってしまいますあせる

しかし彼女が言うには、主治医からもらった情報には、

肝臓のバイオプシーの処置は翌日の午後に行われる。その約6時間前からNPOになります。

と書いてあったそうなのです。

 

だったら現在の彼女の吐き気がおさまったら、少し何か食べて、それからNPOになっても十分大丈夫なはずビックリマークです。

 

しかし、現在の(病院上の)彼女のオーダーにははっきりと24:00からNPOと書いてありました。

病院だと大抵なんでも24時からNPOになるのがスタンダードなんです。

 

それで彼女の癌治療のドクター(夜中は当直のドクターがカバーしています)に連絡して、事情をひととおり説明してNPO2,3時間ほど遅らせてもらえないかはてなマークとお願いすることにしました。

 

 

ところがそのドクターはまったく聞く耳をもたず、

NOビックリマークその患者さんは、とにかく24時からNPOビックリマーク

患者さんの情報には、バイオプシーは午後からでNPOになるのは6時間だけでOKと書いてあるんだ、と説明したにもかかわらずです。

「(このドクターに連絡したのは23:40くらいでしが)あと、NPOまで20分もあるだろ。その間に何か食べればいいんじゃないか。

でも患者さんは今まだ吐き気が続いていて、今すぐに食べられる状態ではない、と言っているにもかかわらずです。

の一転張りでしたドクロ

 

そしてその言い方も、とにかく非常にRudeでした。

 

 

あげくの果てに、

こっちはRapid responce (緊急事態)のコールが立て続けに2回も来て忙しいんだから、本当に緊急じゃなかったら連絡しないでくれ!!

たったの2回でしょ!!(私の心の声)

とまで言われてしまいました。

 

 

もしこれが患者さんの命に係わることであり、その当直のドクターからこのような返事をされた場合には、当然その上のAttending担当主治医)に直接電話するところでしたが、今回のことはそのような事情ではないためにそれはできず。

 

 

とにかく、非常に納得いかないと思いましたメラメラ

 

 

このドクターはもちろん患者さんの状態をベッドサイドで看ていないので、ぜんぜん患者さんのことを分かっていないと思いました。

 

 

確かに患者さんが食べる、食べないということは、差し迫ったことではないです。

夜中の連絡は、本当に緊急以外なことでなければ差し控えるように、とは言われているのは十分承知の上です。

しかし患者さんの意思は尊重されるべきだし、患者さんのリクエストであったら、やはり例えそれが夜中であっても応えてあげるべきではないかと思うのです。

 

その患者さんも同業のナースだったので、今回のことは理解してくれましたが、、、

 

 

翌朝、くやしかったのでナースマネジャーに今回のことについて話しました。

マネージャーはもちろん、十分にそのジレンマを理解してくれました。

マネージャーが後にドクターの上司に今回のことを話してくれるようです。

 

 

その患者さんは、予定通り翌日にバイオプシーを受けました(やっぱり午後に行われました、怒)

その後吐き気も治まり、さっそくディナーをオーダーしましたが、、、スープを2口飲んだところで、また吐き気に襲われてしまいました、涙。

そのためその日も食べものはおろか、飲み物さえも口にすることはありませんでした。

(現在は点滴にて水分補給を行っている状態です)

痛みは緩和ケアチームが鎮痛剤を更に処方してくれたせいもあり、だんだんと軽減してきました。

現在はバイオプシーの検査結果待ちですが、その結果によって今後の治療方針が決まる予定です。