バケーションが終わり、今週からいつものように仕事に戻りました
長くバケーションが続いた後に仕事に戻ると「浦島太郎状態」になってしまうものですが、先週エキストラでシフトをピックアップしていたので身体は少し慣れていたように思います。
でも何人かの同僚から「あれ、しばらく見なかったよね?Chloe、どうしたのかと思ったよ~。」と声をかけられました
さて今週のシフトで、またいつもの(仕事への)緊張感が一気に戻ってきた感じがします。
私の受け持った患者さんの一人が、夜中に突然意識不明になってしまったのです。
一週間前に病院で大腸がん手術を受けた患者さんでしたが、既に他の疾患を抱えていました。
私がシフトを引き継いだ時は、この患者さんは普通にコミュニケーションも取れていて、バイタルも正常で痛みもなく、元気そうでした。
笑いながらジョークを言うくらい元気だったんですよ
ところが夜中にいきなり心拍が160まで上がったので、病室へチェックしにいったら、患者さんは目をむいて口から泡を吹いている状態でした。
彼の名前を呼んでも応答がなく、呼吸も感じられませんでした。
すぐに他の同僚に助けを求めてコードチームを呼びましたが、脈はあったのでCPRまでするには至りませんでした。
この時点で彼の病室はかなりの人数で溢れていました。
すぐにEKG、血液検査などが行われ、患者さんの名前を呼び続けましたが意識は戻らなかったので、そのままICUへ搬送されることになりました。
ここで一番心配されるのは脳梗塞や脳卒中などの疾患ですが、CTでは異常は見つからなかったとのこと。
その後まもなく患者さんを搬送してくれたRapid responce teamのナースが
「実はあれから患者さんの意識が戻って、普通に話すことができるようになったよ。」
と教えてくれました。
患者さんが搬送されてから、彼の奥さんに何が起こったか知らせるために朝の4時でしたが電話しました。
もちろん彼女は電話に出なかったのでメッセージを残したら、すぐに折り返しで電話をしてきてくれました。
早朝にこのような電話が病院から来たら普通はパニックになりそうなものですが、彼女は電話をもらったことをとても感謝してくれました。
現在もその患者さんはICUにいて、心臓、脳神経のドクターが原因を追究中です。
そしてもう一人の患者さんは、眼球から上顎にできた大きな腫瘍を取り除く手術をしたのですが、、、
この手術で彼女は右の眼球を失ってしまいました。
上腿から皮膚組織を取り、それを手術後取り除いた箇所に移植手術をしたのです。
彼女の顔の右半分はPenroseというドレインが付けられたので、そこから常に血が滴っている状態でした。
それで毎時間ガーゼを取り換えて、皮膚をきれいに保つようにしました。
彼女は、とにかく今は自分の顔を観たくない、と言っていました。
手術をしたばかりだし、そして右の眼球を失ってしまったのだから、無理もないことです。
でもご主人が常にベッドサイドについていて、とてもしっかりと彼女をサポートしてくれていたのは本当に良かったです。
そして手術は頭蓋骨近くに及んだので、術後の頭の痛みがすごくてとても大変そうでした。
それで痛み止めも頻繁に投与しました。
この患者さん、こんな大変な手術を経験したにもかかわらず、本当に思いやりのある優しい患者さんだったんです
シフトが変わるとき、「エクセレントなケアをありがとう。あなたは私にとってスペシャルなナースよ。」と言ってくれました。
彼女の言葉のおかげで、今まで大変と感じていたシフトのことは、すべて頭から消えていきました。
彼女こそが大変な思いをしているのに、それでもこのようなや優しい言葉をかけてくれること、こちらも本当に感謝しました。
今さらながら人様の命を預かる仕事の重大さを再確認させられた出来事でした。
休みになっても、やっぱり受け持った患者さんのことは頭によぎります。
本当に順調に回復して元気になってほしいです