アメリカに住んでいると、ときどき受ける質問
日本食作ることできる?(、、、たいてい『フライド・ライス(炒飯)、照り焼きチキン、カリフォルニア・ロール』のどれか)
フライド・ライスも照り焼きチキンもカリフォルニア・ロールもこちらではとても人気があります。
私も料理することは好きなので、聞かれたら基本的に『もちろん~』と言って、(相手が遠慮しなければ)作って差し入れします
先日、受け持ちの患者さんとちょっと世間話をしていたら、
『Chloeは料理するの好き?』と聞かれました。
『好きだけど、なんで?』と答えると、
彼女が『私ね、フライド・ライスが大好きなの。一度、Chloeの作ったものを食べてみたいなあ。』と言ってきました。
彼女は大腸がんを患っていて、ガン切除の手術を受けていました。
でもその後、合併症があって入院が長くなってしまいました。
そんなわけで私も彼女を受けもつ機会が何度かあり、いつも軽口を交わす仲になっていました。
ここ最近、彼女の食事制限が解除されて普通食が摂れるようになったのだけど、吐き気がなかなか治まらなくて食事はほとんど摂っていない(摂れない)状態だったのです。
何種類かの吐き気止めを打っても効果がなく、彼女自身も『食べること』をあきらめているような状態でした。
それでドクターから
『このまま何も食べないようだったら、そのうちFeeding tube(胃ろう)が必要になるかもしれないよ?』とほぼ脅しのような感じで言われていたのです。
そんな状態の彼女だったので、とにかく食欲があることは良いことだと思い、
『もちろん!今度フライド・ライスを作ってくるね!そうしたら食べてみてくれる?』と聞くと、
彼女は嬉しそうに『食べたい!』と言ってくれました。
普通に考えれば、吐き気が頻繁にある状態でフライド・ライスってちょっとヘビーな感じがしますよね()、
でも彼女が『食べたい!』という意欲を見せてくれているので、とにかく野菜をたくさん入れて、彼女がなるべく食べやすいように作りました。
もしかしたらフルーツだったら食べれるかな?と思い、フルーツも少し入れました
翌日、フライド・ライスを病室に持っていくと、彼女はものすごく喜んでくれました。
『本当にうれしい。ありがとう。ありがとう。食べるのが楽しみ。』
とこちらが恐縮するくらい、何度も何度もお礼を言ってくれました。
でも(心配していた通り)彼女の吐き気は改善されぬまま、
そして持っていったフライド・ライスにはそのまま手がつけられることはありませんでした
その後彼女にはFeeding tube(胃瘻)がつけられることになりました😢
フライド・ライスにはまた別な思い出もあります。
亡くなった夫のお父さんがフライド・ライスが大好きで、いつもバースデーになるとリクエストされたので作っていました。
定番の照り焼きチキンもいつも一緒に作っていたのですが、
お義父さんは満面の笑みを浮かべて『Chloeのフライド・ライスが一番美味しいよ。ありがとう』といつも言ってくれていました。
(褒められると、もっと作ってあげたくなるタイプです、笑)
そしてお義父さんはいつもおかわりまでして美味しそうに食べてくれました。
いまもフライド・ライスを作るたびに自然にお義父さんのことを思い出してしまいます。
そんなわけで、私にとってフライド・ライスには少し複雑な思い出があります。
ところで話は変わりますが、もうずっと前の話ですが同僚からアヒルの卵をもらいました👀
普通の鶏🐔の卵の1.5倍の大きさです🐤卵黄が大きいので、オムレツの色が綺麗な黄色になりました。
卵自体は鶏卵より少し淡白ですが、栄養価がとても高いそうです。