今週も無事仕事が終了しました。
今週はかなりエモーショナルなシフトが続きました。
私は癌病棟で働いています。
癌にもいろんな種類があるので、本当に様々な症状の患者さんのケアをしています。
抗がん剤の投与から Post op の術後のケアまで幅広いです。
今週受け持った患者さんの一人は白血病で何年か前に骨髄移植を受けたのだけど、
GVHDなどのコンプリケーションが重なって今まで何度も入退院を繰り返さないとなりませんでした。
今回、再度癌が見つかってしまい、入院することになりました。
今回の入院では酸素をつけていないと呼吸も苦しそうで、しかも癌のせいでかなりの痛みがありました。
病棟に運ばれてきたとき、見ているだけで辛そうなのが分かるのに、
『私が担当になるナースです。よろしくお願いします』と自己紹介したとき、笑顔で 『ありがとう』と震える手で握手をしてくれた、本当に優しい患者さんでした。
すぐにドクターに連絡を取って、まずは痛み止めのオーダーをもらい、
体位も枕を使ったりして、できるだけ楽にしてもらえるようにしました。
その後血液検査やCTなどいろんな検査をしたのですが、
癌が予想以上に進んでいることが分かり、これ以上は治療のすべがないことが分かりました。
ご家族が呼ばれ、担当医やPalliative careのチームと一緒にカンファレンスが何度か開かれて、
同意の上でコードもDNR/DNIになり、ホスピスケアに移ることになったのです。
家族も患者さんも病院ではなく、おうちで最期を迎えたい、という希望だったので、
とにかくおうちに帰るまでは必ず生きていてほしいと思いました。
患者さんの癌の進行は本当に早くて、意識が朦朧として呼吸数も8くらいまで落ちていたのだけど、
呼びかけるとちゃんと目を開けて答えてくれました。
痛みで辛そうだったので痛み止めも投与しましたが、
呼吸数がとても心配だったので、もちろん他の方法でも痛みを和らげるようにしました。
とにかくおうちに帰るまでちゃんと生きないとダメ!と願いながら、夜中も一時間ごとに患者さんをチェックしました。
時々私がベッドにくると目をあけて、息きれぎれに自分のことを話してくれました。
患者さんの奥さんがベッドサイドにずっとついていて、時々二人の思い出などもシェアしてくれました。
そんな感じでシフトチェンジのとき、患者さんに、今日おうちに帰れるからよかったですね、と言うと、
患者さんは本当にうれしそうに、うん、とうなずいていました。
そして別れるとき、患者さんが、ありがとう、と大きなハグをしてくれたのです。痛みでかなりつらいはずなのに。
奥さんもハグをしてくれて、最後にあなたにケアしてもらって本当に良かった、と親切にも言ってくれました。
そしてこの患者さんがホスピスに行ってしまうことが悲しくなって、泣くまいと思いながらも涙がでてきてしまいました。
今まで何度かこのような経験をしているのですが、いつも Life is not fair. って思ってしまう。
他にお世話させていただいた患者さんたちも一生懸命癌と戦っている人ばかりでした。
一人、かなり大変な手術をした患者さんがいました。
喉頭ガンの切除したのでストマがあってしゃべることができませんでした。
呼吸を楽にするために、ストマは頻繁に吸引しないといけませんでした。
加えてこの患者さんは、術後の血糖値が高くてインスリンドリップをしたため、血糖値を頻繁に計らないといけませんでした。
血糖値を計りますね、と言うと、ニコッとうなずいて指を出してくれました。
誰だって頻繁に血糖値をチェックされたくないはずなのに、それでも治療を頑張って受けてくれる患者さんの笑顔を見てまた涙があふれてきました。
実はそのとき、同じく昨年病気で戦っていた父の姿を重ねてしまったのもあると思います。
父もやはり同じくストマがあって苦しい吸引にも耐えていました。
そしてこの優しい患者さんがなんだか父ともよく似ていました。
でもここで泣いたら変に思われるので、こらえるのに必死でした。
別な患者さんもシフトチェンジのときにハグをしてくれて、ありがとう。と言ってくれて、
本当に仕事は大変なんだけど、この瞬間いつもこの仕事を選んでよかったな、と思います。
仕事が終わってからスイミングに行こうと思ったのですが、
同僚から分けてもらったポップコーンがやたらにおいしかったので、それを買いにグローサリーストアへ行きました^_^
このシーズンしか出ていないみたいです。