パニック障害患者の救急受け入れのコツ | 感慨深々

感慨深々

医学教育の現場から見た本音をROPPONGIから発信!
臨床教育で重要なものは技術か?
それともその技を使う心か?
は、過去の話題。
これからは日本の医療を外から眺めた場合の問題点とその解決を述べてみます。

最近搬送が多くなっているのがパニック発作。
この発作は具体的に何が原因か?
突き止めるのも大変で発作は突然やってくるようで、
搬送されたはよいのですが
受け入れ施設の対応具合によっては、無駄な検査を繰り返し、
症状は悪化。
またたの随伴症状も出現して、
何が何やら判らない状態になる研修医君も多く、
それが原因で医師としての自信を喪失する場合もあり、

「要注意」

ROPPONGI事情



基本的な身体症状は
  • 手足のしびれ
  • 胸部不快感 もしくは痛み
  • 呼吸が速くなる 息苦しさ
  • 激しい動悸
  • めまい ふらつき
  • 汗ばみ
各症状は30分程で消失します。
原則、症状が出て救急をコールするのに約10分
救急車の現着まで約15分
搬送に約15分
とすると現着時には発作から約40分を経過しており
主症状は消失している場合が多く、
救急隊員の報告から機能的な疾患を探す事から
はじまる場合が多く、結構難物です。

もちろん、患者さんに病歴など問診はしますが
自分でパニック障害を持つ事を自覚しない場合も多く、

帰宅させるのか?
検査を行うべきか?

悩むケースが多い疾患です。

指導医は多分遠目でも診断はついている筈ですが、
多くの場合、「研修医君」の洞察力、SOAPスキルなど
見定めるのに適した患者であり、
指導医が笑いながら「さあ!どうする」と無言で貴方に問いかけるのに
絶好なケースです。

また、パニック発作には「予期不安」という、
パニック発作を何回か起こしているうちに
「またあの発作が起きるのではないか」、
「今度こそ気が狂ったり死んでしまうのではないか」
と言う不安を日常的に抱えてしまう事があります。

これが厄介なことに、
MRIなどの画像診断中に起こる事があり、
周囲をそれこそパニック状態に陥れてしまう事もあり
要注意!!!

パニック障害と似ている病気は

  • メニエール病
  • 狭心症
  • 発作性頻脈症

等ですが呉々も誤診に注意を!