世界で最も信頼されている貴金属コンサルタント企業、トムソン・ロイターGFMSは、先月、2013年の銀価格予想を発表した。
ここ数年、銀価格について弱気だったGFMSだが、今回については2013年は最高で38パーセント銀価格が上昇して、銀投資家にとってよい年になるだろうと予想している。
金属市場を分析するトムソン・ロイターGFMSのグローバル代表であるフィリップ・クラプウィジク会長は、「放漫な金融政策の継続からくる投資需要の反動によって、銀価格は、2013年中に50ドルを目指し、あるいは上回る可能性がある」と語った。
クラプウィジク会長は、銀投資家の関心は2011年ほどにはならないかもしれないが、2012年よりも高まるだろうとしている。
同氏はさらに「もし銀が金を上回る勢いで上昇したとしても驚かないだろう。流動性が低いときは通常そうなるからというだけでなく、2011年の手痛い損失の記憶も徐々に薄れつつあるからだ」と語った。
貴金属の中でもなぜ銀が2013年の主役になれるか、その理由をまとめてみよう。
2013年の銀相場:
GFMSによると、2012年の銀需要の内訳は以下のとおり。産業需要43パーセント、投資需要30パーセント、宝飾品および銀製品の製造者需要21パーセント、残りが写真および生産者によるヘッジの買い戻し、すなわちヘッジポジションを解消する需要だった。
2013年は産業需要が銀価格を押し上げるより大きな要因になるとGFMSはみている。
もうひとつはもちろん投資需要だ。 11月23日までで、 銀ETF（上場投資信託）の保有量は6億2300万オンスに達していた。 これは2011年末から4700万オンスの増加である。
クラプウィジクは、「超低金利の継続による投資需要の伸長に加え、新興市場の需要も要因のひとつにあげる。
「たとえば中国では、宝飾品の需要が２桁成長を遂げている」と彼は語った。
GFMSはまた、生産者がヘッジのポジションを買い戻す動きが来年は進むと予想している。
これは2012年の傾向が続くもので、GFMSによれば、およそ1千万オンスのヘッジが生産者によって解消された。 クラプウィジクは、「生産者は、交換されるよりも早く、残高ポジションの解消を進めている」という。
『マネー・モーニング』のグローバル・リソースのスペシャリスト、ピーター・クラウスはGFMSよりもさらに強気だ。
クラウスは、現在ニューヨークで32ドル55セントの銀価格が、2013年には54ドルに達するとみている。
クラウスが指摘した銀価格上昇の理由には、米国のバラク・オバマ大統領の再選、金銀比価、投資および産業の両需要があった。
