今なぜ月の開発なのか ~アルテミス計画~
・アルテミス計画始動2022年11月16日宇宙船オリオンを乗せSLSロケットが打ち上げられました。月開発を目的とするアルテミス計画の始まりです。将来的には月の軌道上に「月軌道プラットフォームゲートウェイ 」という宇宙ステーションを建設し、月面に様々な施設を建設する計画で現在日本を含む20ヶ国が協力の表明しております。今回打ち上げられた「SLS」は「オリオン」を月軌道に運ぶために新たに開発されたロケットです。が、スペースシャトルの部品が流用されております。エンジンと個体ロケットブースター(SRB)はそのまま流用。コアステージも外部燃料タンク(ET)を改良。完全新開発よりも過去に使っていた物であれば不具合への対処がしやすいという事なのでしょう。(開発費用も抑えられる)・アポロ計画から50年1972年のアポロ計画最後のアポロ17号から50年が経ち人が月面に立つことはありませんでした。アポロ計画以前、アメリカとソビエトの宇宙開発が熾烈で有人で初めて地球周回軌道に達したのはソビエトでした。その敗北を受けアメリカは月への到達を目標に掲げ目標を達成いたしました。ソビエトも月に人を送る計画を立てましたが実行されることはありませんでした。両国とも宇宙に出る・月に行く、と行く事が自体が目的でありその後どうするかは何の計画もありません。とは言え、巨額の国費を使い危険の伴う計画なので何かしらの成果が必要です。月はどのように作られたのか。太陽系ができる時に地球と月が同時にできた(兄弟説)地球から月ができた(親子説)他の小天体が地球の重力に捉えられた(他人説)などの議論がありましたが、アポロ計画で月の石を持ち帰り分析した結果、鉱物組成は地球とほぼ同一であったことから小天体が地球に衝突し(ジャイアントインパクト)その破片が地球軌道上に吹き飛ばされそれが集まり月が形成されたという事がわかりました。月の謎が解けてしまった以上の目的が無くなってしまったためアポロ計画は終了となりました。もちろん巨額の費用の問題もあります。(これが最大の理由でもあります)・再び月へ目的が無くなってしまったのになぜ再び月をめざしているのか。アルテミス計画は月の謎解きのためではありません。その先を見据えた計画です。人類は将来他の惑星に行く夢を持っています。手近なところで火星です。それでも火星までは半年から数年かかる距離です。一発勝負で行うわけにはいきません。火星に施設を建設するにあたり事前に演習をする必要があります。その場所が月なのです。地球より重力が少ない場所で酸素が無い環境で施設を建設し長期滞在する、火星に向かう前に月で演習する事が必要なのです。それが「アルテミス計画」です。・アルテミス計画先日打ち上げられました「アルテミス1」は無人の試験機です。今後は、アルテミス2で有人試験。アルテミス3で有人月面着陸。(2025年)アルテミス4でゲートウェイ建設開始。(2027年)他と続きます。アルテミス計画は「SLS・オリオン」だけではありません。ロケットの打ち上げで実績のあるスペースXも参加するでしょうし、日本の輸送機HTV-Xも開発中ですし、トヨタのルナクルーザーも開発中です。様々な国の様々な技術が用いられます。宇宙開発は当初の計画から遅れることが予想されます。数年・十数年単位で遅れます。今回始まったアルテミス計画自体が既に当初の計画から既に遅れておりますし。中止になることも、計画が変更されることも多々あります。アルテミス計画以前にアメリカではコンステレーション計画という月開発計画がありましたがオバマ大統領時代に中止となりその後りアルテミス計画に変わった経緯があります。宇宙船オリオンはこのコンステレーション計画の時に設計・開発されたものです。アルテミス計画は始まったばかりで今後どう変わっていくのかはわかりませんが月開発の計画は続いて行くでしょう。今まで無かった計画がやっと実現された計画です。長い目で見守っていきましょう。