CAIN'S JAWBONE は1934年に英国で出版された「パズル小説」もしくは「文学パズル」です。


100ページの小説ですが、すべてのページが時系列も何もかも順不同になっていてストーリーとして読むためには「正しい配列」を見つける必要があります。


分かっているのは殺人事件の被害者は6人ということ。正解とされるためには被害者を特定し、殺人犯をフルネームで明らかにする必要があります。


作者はその頃(1920〜30年代)「オブザーバー」紙にトルケマダというペンネームできわめて難解なクロスワードパズルを発表していたエドワード・パウズ・マザーズ(1892 - 1939)。



出版当時の正解者は2人、その後2019年に再刊され2020年に1人が申し出て認められました。しかしワシントンポストによれば戦前の正解者(匿名)がもう1人いるそうなので過去89年で4人となります。


「カインの顎骨」と訳されることもあるようですが元ネタは旧約聖書「創世記」でアダムの息子カインが弟アベルを殺害したエピソードですね。


聖書にはただ「殺した」としか書かれていないのですが、やはり旧約聖書「士師記」にサムソンが死んでいたロバの下の顎骨で1000人の敵を撲殺した、とあることから後世の絵画ではアベルが動物の下顎を振るって殺したように描かれています。



  
これはルーベンスの「アベルを殺すカイン」
カインの右手に顎骨が見えます。



こちらはジェームズ・ティソ(仏)「サムソン1000人を殺す」

大きなロバの下顎を持っています。


ですから訳としては「カイン(が殺害に使った)顎骨」あるいは「最初の凶器」とでも…


こちらは現在流通している版の表紙です



左に「小説によるパズル」、左の黄色の丸の中には「もしもジェイムズ・ジョイスとアガサ・クリスティの間に文学的私生児が生まれたなら、このようであったろう」とデイリー・テレグラフ紙の書評が引用されている。


一番下には「世界でもっとも悪魔的に難しい文学的パズル」と…


現在出ているものは本文が100枚のカードに印刷されていてルーズリーフに自分が推理した順番に並べ替えられるようになっているけれど高い(¥4,950)です。


他に¥2,000程度のペーパーバックもあるが1ページずつバラす手間がかかる…


Kindle版が¥570だったので、こちらをポチリました。


後で気付いたのですが実はKindle版にして大正解だったのです。

その理由は次回…