2013（平成25）年から建造されてきたヘリコプター搭載護衛艦いずもが就役したと聞いたので、横須賀まで見に行ってきました。

いずもはいずも型ヘリコプター護衛艦（DDH）の1番艦で、平成22年度予算で建造されたことから22DDHとも呼ばれています。艦番号はDDH-183。
海上自衛隊護衛艦史上最大級の艦で、基準排水量19,500t、全長248m、全幅38mという大きさです。
海軍の軍艦に当てはめると、
基準排水量19,500t：正規中型空母雲竜型の17,480tよりも多い
全長248m×全幅38m：正規空母加賀の全長238m×全幅29.6mよりも大きい
このことからもいずも型の大きさがよく分かりますね。

主機関はLM2500IEC型ガスタービンエンジンを4基搭載。出力は28,000psで速力は30ノットとなっています。

いずもは、2015（平成27）年に退役するヘリコプター搭載護衛艦しらねの後継艦として建造されましたが、配備されたのは横須賀となっています。そして横須賀にいたDDHひゅうがが舞鶴に転属して、しらねの実質的後継艦となりました。

いずも型DDHはひゅうが型DDHに続く、第1甲板を全通式としているのが特徴です。

全通甲板のメリットは複数のヘリコプターを同時に発着艦させることができること。いずもでは同時に5機のヘリコプターを運用することができ、これはひゅうが型の3機を上回る能力です。ヘリコプターの搭載最大容量は14機と大容量です。
艦橋は右舷に配置され、その出で立ちはまるで航空母艦のようですが、飛行機の運用は考慮されておらず、発艦用ジャンプ台やカタパルト、着艦フックなどは装備されていません。

上部甲板の下には格納庫があり、エレベーターで昇降させますが、前部エレベーターはインボード式ですが、後部エレベーターはデッキサイド式として大型機にも対応。

また30tに対応した大型ランチを装備し、第5甲板に陸上車両を搭載して輸送することができます。

積載能力は陸上自衛隊73式大型トラック50台分。航空自衛隊のPAC-3地対空ミサイルシステム車の搭載も可能です。人員400人の輸送も可能となっています。また給油艦機能も備えています。
災害時に備えは病院船機能も持っていて、35床の入院設備を持っています。
有事の際には100名規模の統合任務部隊司令部を設置することも可能。
全通甲板を持ったHDDとしてはあらゆる面でひゅうが型を上回る規模です。

一方巨大過ぎて艦としての戦闘能力の限界を超えていることもあり、対潜ミサイルや魚雷発射管は搭載せず、その分多機能レーダーやソナーも簡略化されました。

一方で魚雷防御のために投射型静止式ジャマーや自走式デコイを搭載しています。
防空ミサイルも最大射程9.6kmのSeaRAM（近SAMシステム）2基を装備。そのほか20mm機関砲を2門搭載。

つまりいずも型はヘリコプター運用に特化したDDHということになります。
いずも型の2番艦は24DDHとして建造が始まっていて、進水は2015（平成27）年8月の予定。竣工は2017（平成29）年の予定となっています。

ひゅうが型でもかなり大きいと思いましたが、いずも型は本当に巨大。やっぱり軍艦は大きいほどかっこいいと思いました。とわいえ、願わくば戦闘活動には出ないでもらいたいものです。

護衛艦いずもを見てきた