そして百里基地と言えば、この基地を舞台とした新谷かおるの漫画「ファントム無頼」を真っ先に思い浮かべてしまうのですが、なんと2機のファントムが保存されていました。

手前がF-4EJ改、奧がRF-4EJです。
F-86Fセイバーの後継機として、アメリカ空軍のF-4Eをベースに対地攻撃能力や空中給油機構、空戦用スラットを省略。1971年に完成機を2機輸入し、11機を三菱重工業でノックダウン生産。127機をライセンス生産によって国産化して導入しました。なおライセンス生産した国は日本だけのようです。
1980年からF-4EJの延命と能力向上を図った改修が計画され、1984年からF-4EJ改が登場しています。

F-4EJ改ではASM-1/ASM-2空対艦ミサイルや無誘導爆弾による対地攻撃能力を付加したほかレーダー能力などが近代化されています。

90機が改修されましたが、現存機は新田原基地第5航空団第301飛行隊と百里基地第7航空団第302飛行隊で運用されています。
RF-4EJはF-4EJに偵察機器を搭載した偵察機で1991~1993年に改修されました。

純偵察機のRF-4Eと異なり、偵察機器をセンターラインポッドに搭載し、機首のバルカン砲が使用できるようになっています。

RF-4EJはRF-4Eと共に百里基地偵察航空隊第501飛行隊に配備されています。
RF-4EJは今後F-15Jイーグルを改修した偵察形に置き換えられる予定。
百里基地にはまだ現役のファントムも残っていますが、引退後もファントムの姿は残されるようですね。

茨城空港の開港で気軽に立ち寄ることができるようになった百里基地。その主であるファントムですが、末永く保存していって欲しいものですね。