今年は211系3000番代幕張車。マリ501編成でした。

クモハ211-3040はシングルアームパンタグラフが増設された編成です。
そのうち豊田車両センターに転属するのでしょうか。
車体を点検するエリアです。奧に京浜東北線用の209系の姿が見えますが、2000番代への改造を行なっているのでしょうか?

手前にはサロE230-1015の検査中。台車はもちろんのことクーラーも降ろされていますが、現在はそれぞれの受け持ち部署で平行して検査修繕を進めているようです。

それにしてもすっかりステンレス車ばかりになってしまいましたね。以前は201系もいたのですが。

今度は補機類の展示エリアに行ってみましょう。
ここには電動空気圧縮機(CP)やパンタグラフなどが展示されています。
まずはCP。鉄道車両は空気ブレーキを始めとして様々な部分に圧縮空気を使用しています。その圧縮空気を作り出すのがCP。編成中の何両かにCPを搭載して編成各車に空気を供給します。
これは113系用のMH80A-C1000形電動空気圧縮機。

C1000は容量を意味していて、この場合1,000L/minの圧縮空気を作り出すことができます。113系の場合CPはクハ111偶数向き車とモハ112(M'車)に搭載されていたので、だいたい2~3両分の空気を1台のCPが受け持っていたことになりますね。
こちらは205系用のC2000-BL形。容量は2000L/minで10両編成中モハ204形3両に搭載していました。説明では203系にも搭載と書いてありましたが、100番代でしょうか?

これらのCPはレシプロ式で、モーターの力でピストンを動かして圧縮空気を作り出します。写真右にあるピストンがそれですが、何も知らなければ自動車用エンジンのピストンみたいですね。

レシプロ式は作動すると「ドコドコドコドコドコドコ」という音が聞こえますが、これが騒音、振動源となるため、最近は左のようなスクリュー式のCPが主流になりました。
スクリュー式はふたつのネジを噛み合わせたような構造になっています。
スクリュー式CPは1992(平成4)年にドイツ・クノール社のものを試用し、従来のレシプロ式と比較した結果MH3096-1600Sとして本採用され、209系とE217系に採用されたようです。

なおCPで作り出した圧縮空気は元空気ダメ(タンク)に送る前に除湿装置を通して水気を落とします。

これが209系、E217系用のD20TH除湿装置です。
E231系のMH3119-1600S1形CPは除湿装置などとともに機器箱に納められています。

除湿装置はD16TH形。あれ? 209系用より型式が若返っている?

E233系用MH3124-1600N3形も機器箱に収まっていますね。

パンタグラフは菱形とシングルアームが展示されていました。
まずは菱形のPS21。もともとは地下鉄東西線乗り入れ車301系用としてPS16をベースに鋼体架線対応としたものです。

集電舟を支える部分を設計変更し、架線追従性を高めたものですが、その性能が優れていたため201系以降にも採用されました。
209系用のPS28AはPS16を小型化したものです。

ここにも軽量化の手が入っていたんですね。
E231系で本格的に普及したシングルアームパンタグラフのPS33B。

シングルアームパンタグラフは太い主枠と細いイコライザーアームで構成されています。
そしてE233系用のPS33D

PS33BとPS33Dって何が違うのかと思えば、PS33Dは将来の高速化に備えて、架線追従性を高めるためのダンパを取り付ける準備工事をしているのだそうです。

写真右下に見える、穴がふたつ開いた短いアームがそれですが、同じ型式でも仕様がだいぶ違うのですね。
これら機器類展示の向こう側も車体修繕エリア。山手線用E231系500番代(手前)と、6扉車置き換えで投入されたサハE231-4600(奧)が並んでいました。

サハE231-4600とサハE231-600の車体構造はE233系をベースとした強化形とされていますが、帯び高さや床高さなどはE231系に合わせてあります。ただし10号車に組み込まれるサハE231-4600は、ホームドア使用時に京浜東北線E233系10号車とドア位置を揃えるため、11号車寄りの扉位置がオフセット配置されたほか、扉もE233系タイプになり、台車もE233系のTR255を装着するなどかなりの相違点があります。
そんな感じの東京総合車両センター巡りでしたが、普通鋼車、直流モーター車がすっかりいなくなってしまいましたね(展示車を除く)。

しかも世代交代のスピードは速く、すでにE231系は前世代車。そんなクハE230-8017に見送られて離脱しました。