今年の4月は
昨日冷え込んだかと思えば翌日は夏日がやってきたりで
急な紫外線でお肌の心配をする方も多いのではないでしょうか。
全身温熱療法をさまざまな病気の治療サポートとしてお受けになる方は
10~20年前までは圧倒的に女性が多く
たまにいらっしゃる男性患者さんといえば
奥さんや娘さんに連れてこられて渋々温熱を受けるという方がほとんどでしたが
ここ何年かは、統合医療の考えに賛同し、温熱療法の機序を理解し、
ご自身で腑に落とした上で温熱の扉を叩く方が増えました。
そして、理屈がわかった上で温熱療法を続ける患者さんでは
成績が良い、という傾向もみられます。
そんな男性患者さんも含め、全身温熱療法をお受けになるすべての患者さんで
“きれいになる”という現象が起きています。
女性ですと
朝晩洗顔をする時にお肌の手触りが違う
朝お化粧をする時に化粧のノリが違う
といったことで気づくことも多いですが
男性のメイクも珍しくなくなった昨今
男性でもお肌の調子が良いことに気づく機会は増えています。
お顔の色が初対面のときとは別人のように明るく変わり
輝くようにきれいになっていくのを見るのは何より嬉しいことです。
お肌のうるおいを保つ成分としては
角層細胞間脂質の代表格・セラミドがあります。
セラミドはお肌の角層の細胞と細胞の間を埋めて水分の蒸発を防ぎ
外からの刺激に対してバリアの役目も果たすことが知られています。
お顔の角層のターンオーバーは10~14日といわれ
セラミドも奥の方から生まれてきては入れ替わり
水分を結合した状態で仲間同士手を繋いで私たちを守ってくれますが、
体温が38℃以上に上がると古いセラミドが壊れて
新しいセラミドの生成を促すといわれます。
全身の血流を上げて深部の体温が上がってくると大量に発汗しますので
それでお肌の汚れが落ちるということはもちろんありますが
そんなに色が変わるほど汚れた方はいらっしゃいませんので
体温上昇による代謝の促進でお肌が生まれ変わるということが
美肌化の大きな理由の一つです。
加えて、
お肌のブツブツ度と胃腸の働き具合は相関しています。
“腸活”という言葉も“温活”同様すっかり馴染んでいますが
腸の調子をコントロールしている腸内細菌は
食べ物以外に体温やpHによっても左右されます。
いくら良質な食べ物を体に入れても
胃腸が動かず、栄養を運んで消化して吸収できなければ意味がないので
まずは体を芯まで温めて
養分を受け入れる準備をしましょう。
全身温熱療法がもたらす作用の一つ “きれいになる”
ドラえもんのお話の中に(※ネタばれ含みます!)
イソップ童話の『金の斧 銀の斧』になぞらえて
湖(→泉)に落ちたジャイアンが
“きれいなジャイアン”として
女神さまに抱かれて美しく登場するシーンがありますが
温浴治療後のツヤツヤの患者さんとお会いするたび
女神さまに抱かれたきれいなジャイアンのシーンを思い出します。
ですが、
きれいな患者さんは正真正銘、本来のご自分を取り戻された本物の患者さんです。
めでたし、めでたし