略奪された側の策 | 温井ちまき ブログ

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ワシントンDC在住。米国のコンシューマー、ビジネス、ソーシャルトレンドをメインに日本のメディアに記事を書いてきました。現在は卵子提供によって産まれた3人の子供の子育て中。

iPhoneをベライゾン・ワイヤレスが2月に発売することになり、世間様の話題はもっぱらそのことに集中している。もっぱら、「よかったよかった、これで安心」という論調である。

だが、アップルを略奪愛されてしまったAT&Tに対するフォローアップ意見はあんまり見かけない。

略奪されてしまってかわいそう

略奪するなんてベライゾンはひどいヤツだ、AT&Tに入ってやろう

という意見は見かけない。

略奪されてしまってくやしくないのか

その上二股かける言われてんのに何もせんのか

という意見も見かけない。

新しい彼女であるベライゾンとの略奪愛を喜ばれているだけだ。

そうよ、他人なんてそんなもんよ。

他人がどう思おうとカンケーないわよ。

あんたがそうするなら私はこうでるわよ。

と、AT&Tが放ったのが、これダウンだ。


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これは先週の新聞広告。


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これは今週の新聞広告。


元カノの戦略は果たして効くのだろうか。

昨年5月のワイヤードの記事に、AT&Tは略奪されても気にしない、みたいな内容のものがある。

それによるとAT&T契約者の、

70%がファミリープラン→家族全員の電話機を全部変えるのは難しいっしょ
40%は会社の携帯→会社がキャリアを変えない限り自分で変えることはまあないっしょ

だからベライゾンに移られるかも、なんて気にしてないのよ~、と。

正妻としての余裕なのだろうか。それとも空元気なのだろうか。

この記事によると、ベライゾンがiPhoneを出すことで本当に何か考えないといけないのは、HTCとグーグル、つまりベライゾンからすでにスマートフォンを出しているメーカーである、ということなのだが。

2月が楽しみです。