いつものように備忘録。

 

およそ19年同棲していた相方が昨日、2024年4月26日 午前7時25分、息を引き取った。 

本日10時、荼毘に付した。

 

宝石のような瞳がもう見られない。

会う人会う人、珍しい色だとか宝石のような目だとか言われてきたキレイな瞳。
見知らぬ片言の日本語を話す外国人にさえ、宝石みたいでキレイ。と言われた。

 



書きたいことが多すぎてまとまらない。

 



2005年6月。父が亡くなった翌朝、母がコンビニに行くといって出かけ、帰ってきたときに子猫を連れて帰ってきた。

 

キトンブルーの目をした子猫。男の子だった。そしてカギ尻尾。

生後1ヶ月くらいらしい。

乳離れはしていて、固形物を食べられる程度。

ワタシが当時インド神話にはまっていて、シヴァと名付けた。

コンビニ行って子猫買ってきたの?

なんて聞いてみたら、家のウッドフェンスの下にちょこんと座っていて、すぐ脇は道路。危ないから拾ってきたと言う。

 

家には当時、7頭の猫がいた。

もう現在は全員虹の橋を渡っていてもういない。

一番下のラフィーが一番面倒を見てくれて、かわいがってくれた。

下から二番目の3頭は兄妹で捨てられていたのを拾った子たち。彼らは最初の頃こそかわいがっていたのに、シヴァの世話がメインになって、ヤキモチを妬いて、いつしかシヴァをいじめるようになった。

いじめられると、ラフィーが庇うこともあった。それでも生傷が絶えず、ある日、右足側面のかかとからつま先にかけてザックリと切り裂かれ、皮が一部剥がれてしまうという大怪我を負わされた。

 

可哀想だ、ということでワタシの部屋に引き取ることになった。

そして同棲生活が始まった。

寝るときはいつも一緒。四季問わず、暑くても腕枕で寝る。

おかげでワタシは寝ていても寝返りをしなくなったらしい。

 

シヴァは。。。

・自他共に認めるワタシの内縁の夫

・ワタシのストーカー

・ワタシの一番の理解者

・互いに甘えられる存在

 

シヴァの面白エピソード

●電話

 ・かかってきて電話に出ると受話口で大声で叫んで会話を妨害

 ・電話をすると電話を持っている手に噛みついて電話を離させようとする

●ガラス

 ・ガラスに映るワタシに声をかけ、ワタシの方へ振り向いて返事を待つ

 ・ガラスに映った状態で目を合わせて口パクで名前を呼ぶとこちらを向いて目を見て返事をする

●鏡

 ・鏡越しに会話をする

 ・鏡越しにアイコンタクトを送ってくる

●挨拶

 ・朝起きて、おはようを言い忘れると「おはようは?」と言いに来る

 ・帰宅時に先に挨拶をしに行かないとベッドにオシッコをする

 ・帰宅すると「帰ってきたのはわかっているんだ、挨拶しに来い」と部屋から大声で呼ぶ

●空腹時

 ・粗相対策のペットシーツを囓ったり(食べるわけではない)舐めたりして音を立てる

●健康管理

 ・夜更かしをすると夜明け前に必ずと言っていいほど寝ろと何度も呼びに来る(ただ一緒に寝たいだけ?)

 ・布団の中でスマホをいじっていると布団の中でやるなとスマホをたたき落としたり引っ張ったりする

 ・長時間スマホをいじっていると注意をしに来る

●嫁の起こし方

 ・壁を向いて寝ている場合

  ・耳を叩く

  ・耳に鼻を突っ込んで鼻息をかける

  ・耳に鼻を突っ込んで大声で叫ぶ

 ・布団をかぶって寝ている場合

  ・布団に手を突っ込んで頬に手を当ててムニムニムニ...と頬を揉む

  ・布団に頭を突っ込んで濡れてる鼻を顔にくっつけて押し上げる(ちょっと頭突きっぽい)

  ・布団に頭を突っ込んで顔面に鼻息を荒くして吹きかける

 ・その他

  ・真横に座って大声で叫ぶ

●謝罪の仕方

 ・隠れてしばらくして出てきて反省したよと言いに来る

 ・申し訳なさそうな顔をして頭をこすりつける(スリスリするのとは少し違う)

 ・目を見て表情で訴える

●人間の言葉の理解度

 ・名前はもちろん

 ・おはよう → 腕まくらしていても目を合わせて返事をする

 ・いってきます → 目を見て見送る

 ・いってくる → 目を見て見送る

 ・ごはんたべてくる → そうですか、と言う顔

 ・ちょっと待ってて → その場に座って待ってる

 ・おいで → くる

 ・手招き → くる

 ・こないで → こようとしてたのをやめる

 ・すきだよ → スリスリ

 ・きらい → しょんぼりする

 ・ごはん? → 舌なめずり

 ・おなかすいた? → 舌なめずり

 ・ご飯食べる? → 舌なめずり

 ・寝るよ → ベッドにくる

●粗相(分離不安症になったとき)

 ・PCにオシッコをかける

 ・モニタにオシッコをかける(これは壊れた)

 ・本棚にオシッコをかける

 ・床に広げてあった本にもオシッコをかける

 ・仕事鞄にオシッコをかける

 etc...

 

 

シヴァ行方不明事件

2011年3月11日。東日本大震災のあった日。ワタシは仕事で家にいなかった。

帰りたくても電車は止まって帰れなくなり、客先のプロパーには各自でホテルなり何なり取ってくれといいだし、挙げ句自分達は歩いて帰れるからと帰ってしまった。

翌朝、母から連絡があり、シヴァが行方不明になっているという。前日に連絡しなかったのは心配させたくなかったからだそうだ。

昼前くらいに電車がまともに動き出したのでどうにか帰り、部屋に戻ればどこにもいない。

それに、机の上にあったコンポは転落して壊れており、部屋にはいろんな物が散乱していた。

いつもは名前を呼べば返事をするし、すぐに来るのに来ないし、物音ひとつしない。

家族と部屋中をさがした。

窓は開いていないので、部屋から出ていくはずがない。もしかて落下物に潰されてるんじゃないかとか嫌なことを考えてしまう。

1時間ほど探しても見つからない。泣きそうになったとき、家族が一瞬だけかさっと言う音を聞いたという。

聞いたという方をくまなく探したら、メタルラックの奥に入り込んで、出られなくなっていた。

特に怪我もなく無事だった。

しばらくは挙動不審だったが、その日のうちに落ち着きを取り戻し、夜は一緒に寝た。

その後、余震で結構な地震が続き、そのたびに一緒に布団の中に潜って隠れていたら、自分から潜るようになった。そのうち、地震にも慣れ、ちょっと大きめの地震がきてもため息すら吐くようになった、。

 

 

シヴァとの思い出

シヴァが我が家にやってきた当時、ワタシは大学生で時間的にも余裕があり、3年、4年にもなると授業が毎日ではなくなり、家にいることが増えた。

家にいる間は彼と二人きり。甘えてくれば応えて、こちらからも暇だからと構うことが多かった。

そのせいか、ストーカーへと成長。

就職して家にいる時間が短くなり、更にスプレーや粗相が酷くなった。

当時は分離不安症と知らず、怒ったりもしていた。

2012年5月2日、部屋にもう一人誰かいれば淋しくないだろう、と初めてショップで猫をお迎えした。

 

メインクーンの子猫。

生後二ヶ月半の男の子。

シヴァに見合った名前、と思ってアスラと名付けた。

 

まずはちょっとだけ対面、と思ってシヴァに顔合わせだけしようとしたら、シヴァはうなったりもせず様子を見るだけ。逆に子猫の方がシヴァの肩に腕を回すような形でしがみついた。

シヴァは突然絡まれて動揺しつつも、悪い気はしなかったようですんなり受け入れた。

以降は子猫の面倒を見るのが忙しくなったのか、淋しさが紛れたのか、粗相が段々減って、ほとんどしなくなった。

写真のシヴァの首についている血は、アスラの乳歯だった。

とにかく甘やかして育てたらしく、シヴァの曲がった尻尾にじゃれたり噛みついたり、毛繕いしている最中に突然悪魔が降臨したかのようにシヴァにしがみついてキックをしたり。それでも「やめなさい」と口で言うだけで、手はほとんど出さなかった。おかげでシヴァが病気で具合が悪くても空気読めずに相変わらずイタズラをしていた。

 

その後、他の子猫がやってきたが、ほかの子は受け入れられず、攻撃対象になってしまった。

原因はアスラだ。アスラは小さいものを愛でる。子猫は特にかわいがりたい。

アスラが子猫に構ってばかりいるからシヴァがヤキモチを妬いてしまった。

 

そして粗相もまた復活した。

10歳。家から出ないので、シヴァは去勢していなかったが、粗相が収まるかもしれない、ということで去勢をした。

それまではワタシに発情したりもしていたが、去勢をしたら徐々にしなくなり、粗相も減った。

減っただけで完全には治らなかった。今度は嫌がらせでするようになった。

仕事から帰ってきて、部屋に顔を出さずに夕食やお風呂で何時間も経過すると、ベッドにオシッコをされる。

仕事から帰ってきて、部屋に顔を出して、挨拶をしてからだとオシッコをされない。

 

帰ってきたなら挨拶しに来い、と。

いつの間にか挨拶も重視され、朝起きて「おはよう」と言わないと「おはようは?」と怒られる。

ワタシが怒ったときは、ごめんね、と毎回ちゃんと謝りにくる。

 

15歳

健康診断を始めた。

当時は肥満気味でレントゲンを撮ってこれは脂肪だねーなんていわれていた。

このとき、レントゲンで初めて背骨が足りないと言うことに気づいた。

先生曰く、尻尾が曲がっている子によくあることだそうだ。

そして腰のあたりの骨が癒着していて、腰痛があるかもしれないと言われた。

またこれは老化現象だとも。

将来的に排泄に支障が出るかもしれないと言われた。

血液検査は、年齢の割に若いし見た目も若々しいと言われていた。

 

16歳

二度目の健康診断でレントゲンと血液検査

骨の癒着が少し進んでいた。

血液検査はこの時も年齢の割に若いと言われた。

 

17歳

少し痩せてきたかな?

血液検査だけしたが、このときも若々しいといわれた

ただ、奥歯で歯軋りしたりするので相談。

見てもらったら歯が溶けており、猫特有の病気?だと判明。

 

18歳

アスラとダブルで健康診断で、待ちくたびれて血液採取は怒りまくってできずレントゲンのみになってしまった。

ドライフードを食べないと相談。

口の中を見て、この状態なら普通に食べられるはずと言われた。

その何日か後、こっそりドライフード食べているところを目撃。

2023年12月下旬のことだ。

 

闘病

2024年に入り、2月になったあたりからドライフードを食べなくなり、総合栄養食のちゅ〜るを食べさせるようになった。

朝、昼、夜 食べたいだけ食べさせた。

3月4日 ちゅ〜るすら食べなくなったので病院へ

怒りまくって血液採取はあまりできなかったが最低限の検査ができるかギリギリの量は採取できたので検査。

 

腎臓の数値は多少悪いが年齢の割には良い方

肝臓が悪い。詳しい検査は血液検査でできるが採血した分はもう残っていないので検査に回せない。

 

と言われ、とりあえず肝臓の薬が処方された。

次回は3/16と言われた。

その後も症状は悪化。

血色が悪い

オシッコの色もおかしい

 

3/8

再び病院へ

耳の色が黄色い、白目も少し黄色いから診てもらったけど黄疸はまだ出てないと言われた。

 

3/9

強制給餌でミルクを飲ませ始めた。

森永のエネルギー500

一緒に寝なくなった。

 

3/11

この日も病院へ。

オシッコも持っていったら黄疸だった。

補液でどんどんオシッコ出していくしかないということで休診日以外通うことになった。

膵炎の疑いもあるが対応は同じらしい。

 

3/15

先生に黄疸が消えてきたと言われた

そして食欲はないけど機嫌も良くなりゴロゴロも言うようになった。

朝のオシッコはまだ黄色かったが、夜のオシッコはだいぶ元の色に戻った。

膝をたたけば膝に飛び乗るし、抱いたままベッドに入ればそのまま一緒に寝た。ゴロゴロもうるさいほど。

 

3/16

夜中に久々に自分から一緒に寝にきた。

この日も病院。再検査で血液採取。怒らないやり方を思いついたので試したら成功。

検査の結果、肝臓の数値は良くなったが膵臓が悪そうだと言う。

それでもこの日は調子が良く、夕方何か食べたいというのでちゅ〜るをあげたらがっついて1本ぺろっと完食。夜も何か欲しがるのでちゅ〜るをあげたら1本完食しておやつも食べた。

夜も腕枕で寝た。

 

3/19

先生に黄疸がほとんどなくなったと言われた


その後も食欲が少し戻ったりなくなったりを繰り返していた。

 

4/2

調子が悪そう。食欲もない。

先生には膵臓が原因かもしれないと言われた。

 

4/5

この日、食欲が復活しないのはおかしいということでエコー検査

膵臓に腫瘍が見つかった。膵臓癌

ほぼ悪性だそう。

通常版5㎜の膵臓が3㎝にもなっていたらしい。

年齢的に手術も抗癌剤も出来ない、進行を遅らせるためステロイド。ついでに副作用で食欲増進を試みようということになった。

1日おきで通うことになった。

 

4/6

食欲なし

毎日の病院通いで外に目覚めたシヴァ。

車の中から外を眺めたり、駐車場から病院までの外を楽しんだりするようになったので、この日、初めて散歩へ出かけた。

他の猫が散歩へ行くのに買ったカートで初めての散歩へ。カートの中から楽しそうにそとをキョロキョロながめ、公園でも楽しそうにしていた。

初めての木登り。

周りが騒がしい中、カートの中で気持ちよさそうに昼寝も。

初めての桜。今までは落ちてた桜の花を見せていただけの花見だったが今回は本当の花見。

 

4/7

二度目の花見に。

木登り(乗せてもらって)して景色を見て楽しんでいた。


4/12

ステロイドの副作用で食欲が出るのを期待したが、食欲がないなら続けても副作用の方が問題だと言うことで止めることになった。

今後は補液のみ。吐き気があれば吐き気止め。

 

4/13

二人で夕方散歩へ。

シヴァはカートに乗せて、近くの川を散歩。稲荷神社があるので一緒に参拝。

そのあと氏神様のところにもお参りに行こうか、とちょっと脚を伸ばして氏神様へ。

そしたらなんと、騒がしいと思ったら、お祭り。

初めて見るお祭りにもシヴァは興味津々だった。

 

4/14 この日は午前病院。食欲増進剤を試すことにした。帰りは寄り道して公園へ。

その後食欲は少し戻り鼻にちゅ~るを付けても絶対に食べなかったのに、少し食べるようになった。

体重はそれでも徐々に徐々に、病院へ行く度に減っていく。今ある体重で必要以上のカロリーを摂取しているにもかかわらず、減っていくのは腫瘍のせい。

 

4/24

体重が2.4キロに。肝臓が悪い、と治療を始めた頃は3.15キロだった。

3日前は2.5キロ。さらにその2日前は2.65キロ。ここ何日かの減少が著しい。

 

4/25

朝から調子が悪そうだった。脚がうまく動かず、ベッドから階段を使って降りるときもよろける。

それでも朝は散歩に行きたいと言うので仕事前に散歩しに連れて行った。カートは出すのが大変なので、肩に乗せていく。

それでもご機嫌に周りをキョロキョロして散歩を楽しんでくれた。

この日はトイレにもろくに入れず、手だけトイレに入れた状態でお尻を下げてしまったり、トイレには入れたけどオシッコはすべてトイレの外だったり。

それでも何度もウンチをしにいき、良いウンチをしていた。

床に敷いてるNウォームのマットの上に寝ていたのに突然起きてベッドに戻ってきたら座るのかと思いきやいきなりオシッコしたり。

水は飲みに行くけどほとんど飲めないように見えた。なので強制ミルクをしたあと少しぬるま湯も飲ませた。

寝られないのか横になっていても目が開いている。12時頃やっと夢を見るくらいに眠りに就いた。

日中はほとんどベッドの上で気持ちよさそうに寝ていたが、夕方また散歩に行きたいと言い出した。

仕事はまだ終わっていないので、終わるまでもう少し待ってと言って待たせたら、

いつも通り時間でミルクをあげていたが、この日は飲むのをすごく嫌がった。

飲んだあとは元気に?キャットタワーに飛び乗って、そのまま飛び降りた。一瞬よろけてヒヤッとしたけどどうにか転ばず、何事もなかったかのようにドアの方へ。

仕事が終わってから、約束通り散歩へ連れて行った。肩に乗せて散歩。

途中、何年か前に犬散歩で知り合った犬と飼い主のおばさんに遭遇。事情を説明したら、サプリの話になり、今飲ませているのがすごくいいから、お勧め。こんどポストにパッケージの袋入れておくから、それ買ってみて。と一緒に公園まで行って別れた。

公園で降りると言うので、下ろしたら風が心地よいのか草むらに伏せ。

その後移動してベンチに座れば、そこでも風が心地よくベンチで寝始めた。


なんだかんだ30分ほどいて、そろそろ帰ろうか、と抱き上げたらまだ帰りたくないとだだをこねた。

最後に草むらで少しね。と草むらに下ろせばまた伏せをした。

草むらで涼んだ後、肩に乗せて帰宅。

夜になり、行動が少しおかしい。

水に顎を付けていたり、水の中に手を突っ込んだり。

フローリングの床にお腹を付けて寝たり。

そしてなにより、いつもと違う匂いがする。嫌な予感しかしない。

 

4/26

具合が悪そうだった。

それでも時間でミルクを飲ませないと空腹で胃液を吐いたりするかもしれない。

だいたい4.5~5時間で消化され、空腹になって吐いてしまう。

吐く前兆は歯ぎしり

0時過ぎにいつもより大分少なめでミルクを飲ませた。相変わらずものすごく嫌がったけど、空腹だろうし、空腹だと胃液を吐いてしまう。

水も少し飲ませた。

ミルクはイヤイヤしたが、水は素直に飲んだ。

その後、不審な行動をしていたので、トイレに入れたらそのままお尻を下げてごく少量のオシッコをした。

0時半、ベッドに乗せたら冷感の敷きパッドが気持ちよいのか、すぐに横になった。

そして腕枕もして一緒に寝た。手に鼻をこすりつけて甘えてくるので、それに応えて鼻の頭を撫でれば更にぐりぐりと頭を押しつける。

10分ほど一緒に寝ていたが、起き上がってまたどこかへ行こうとする。オシッコはしたばかりだ。水も飲ませたばかりだ。このまま逝ってしまうのではと嫌な予感がしたので、行かないで、ここにいて。見えるところにいて、と引き留めたけど、なんだか目がイっちゃっていて、何が何でも行くといって、ベッドから降り、マットの上に寝転がった。

ワタシも見える位置に移動した。

3時頃、場所を移動していてベッドの前に置いた階段の前に、追加で敷いたマットの上にいて、階段の一段めに顎を乗せていた。

シヴァ?と声をかければ顔をこちらに向けて反応した。

4時頃、向きが変わって階段とは逆の方に向いて寝ていた。

5時50分、目覚ましで起きて、様子を見れば明るいのに瞳孔が開ききっている。息はある。

シヴァ?と声をかけても反応はない。

抱き上げれば力なく、くたんくたん。腕も首も全身の力が抜けている、そんな状態だった。

手足の肉球も冷たい。

これはヤバいと思い、急いで母を呼んだ。

場所を移動してベッドに寝かせて様子を見たが、呼吸が早い。

他の家族も部屋に呼んだ。

部屋に入ってきたときに、カーテンを少し開けてもらったが、日の光を受けても瞳孔は開きっぱなし。

カーテンは閉めてもらった。

身体の向きを変えようと抱えれば辛いのか両腕で頭をかくような仕草をした。

7時すぎ、他の家族が気を利かせて、二人の時間にしてあげようよ、と母を連れて出て行って間もなく、訴えるように手を伸ばしてきた。腕を掴むように。

もう長くはないと悟っていたのかもしれない。

抱き上げて、色々話した。その間、腕にちからがあまり入らないのに、ワタシの腕をしっかり両腕で掴んでいた。ワタシは掴まれたまま頭や撫でられるのが好きだった鼻の頭を撫でた。

20分ちょっと、シヴァの目が見えているのかいないのかわからないけどシヴァの目を見て話をした。たくさん話した。

突然、歯ぎしりをし始め、吐く合図。

どうにか立たせたくても全身に力が入らず立たせることも座らせることもできない。

吐瀉物をのみ込まないよう吐かせたが、吐くのも辛く、声が漏れ出た。

3回ほど嘔吐を続けて息が吸えないようで、最期は身体を仰け反らせ、天井を見上げて口を大きく開き、息ができない!と声を絞り出し、ほんの何秒かもがいてスッと全身から力が抜けた。

息をしていなかったが、身体に耳を当てればまだ鼓動はあった。

背中をさすって、叩いて、2回ほど息を吐いたが、それっきりだった。

 

吐瀉物はミルクと胃液だった。

おそらく0時にあげたミルクはほとんど消化されていない。

胃すら機能が低下していたということ?

どうして?

夕方のは消化されていたようだったのに?

 

母がちょうど数分まえに犬の散歩に出て行ってしまっていたので、残っている家族を電話で呼んだ。

 

 「シヴァ、逝っちゃった・・・」

 

と告げるとすっ飛んできた。まだ心臓は止まっていなかったが、やがてサーーーっと耳から血の気が失せて真っ白になり、鼓動も止まってしまった。

そのうち母が帰ってきたので、急いで呼んだけど

 

 「どうして待っててくれなかったの?散歩行かなきゃ良かった」

 

と後悔していた。

そうだよね、母が拾ってきた子だもんね。


汚れた口周りや体をキレイに拭いて、口内もキレイにして、死に水を取った。

 

この日は在宅予定で、午後休予定だった。

一日在宅に変更し、今日は火葬にはせず、一日一緒にいて明日にしよう話し合い、仕事中、ワタシの隣にはシヴァがずっといた。まだ生きているんじゃないかという錯覚すらした。目が閉じずずっと開いたままだったからというのもある。

 

シヴァの使っていた物、シヴァの最後のオシッコ、すべてがワタシの宝物。

全部全部保管しておくつもり。オシッコされた敷きパッドも洗いたくない。

トイレに行くのが面倒でオシッコされたクッションも洗いたくない。

シヴァの匂いのついているものは洗いたくない。

 

 

遺骨はそのうちペンダントにして常に一緒にいようと思ってる。

いつも部屋を出るとき、どこに行くんだ?と言われていたから、これからはどこでも一緒。

触れないのが一番辛い。写真はたくさんあるし、声の入ってる動画もたくさんある。

 

本当は触ってはいけないと言うけど、昨日はシヴァに触ってた。撫でてた。もう触れないと思うと触らないなんてできない。感触も匂いも忘れない。でも時間が経つにつれて薬品臭くなってたのは何でだろう。

 

 

 

19年お疲れ様。また会おうね。