とあるセッションでベンチャーの社長(正確には会長)の話を聞く機会が先日あった。
このベンチャー、資金調達ではすでにかなりの実績を作ってきている会社で、海外のとある超巨大企業の事業をひっくり返すような事業を創り出している。
そんな企業の代表者が日本の資本制度について、日本のストックオプションはこの会社の規模を考えると使いずらい、と。
いわれると確かにそうである。
ベンチャーであれば、資金調達を受ける際に創業者の利益等を鑑みてストックオプションを発行することがあるが、税務上の観点からは難しい。
すわなち、ストックオプションの権利行使時点で日本であれば所得税が課税されることになる(すなわち、権利行使と同時に株式の売却ができなければ、巨額の租税債務となって個人にのしかかる)が、これを回避するためには適格型にする必要がある。
税制適格型のストックオプションの要件は(一年前の会計士の修了考査でも問われた内容であるが)大まかに、
①付与対象者が大口株主等を除く、取締役や使用人であること。
②権利行使期間は付与日の2年後~10年後の期間であること。
③権利行使価格が付与日の株価以上であり、権利行使価格が年間1,200万を超えないこと。
④無償による発行であり、譲渡が禁止されていること。
(ざっくり書いているので、もっと詳細に知りたい場合は、
http://www.meti.go.jp/policy/newbusiness/stock_option/を参照ください)
である。
何をもって日本のストックオプションは使いのかは語られなかったが、③の要件が非常に使いづらいことが容易にわかるだろう。(①の要件も非常に厄介なのは自明ではあるが)
それも、より巨大な会社を作ろうとすればするほど、ネックになってしまう。
では、解決策はないのか。
現時点で社長が出した答えは、海外で会社をつくることだ。
日本でなぜGoogleやApple、Amazonといった世界を股にかける超巨大企業が生じないのか、なんて話題を読まれた方もおられるかもしれないが、技術や発想だけではない、日本では税制も一つの大きなハードルとなっていることをよく考えなければならないと思う。
もっとも、税制(すなわち法律)を変えるのは国会であり法案を作成する省庁であり、いち会計士ではどうにもならないことは多い。
減価償却の率を細かく変更することよりも、議論されるべき税制はもっと多くあると最近よく思い知らされる。
何を書きたいんだって、前回の衆議院選挙が2016年でもうすぐ2年たつので2017年は解散の可能性もあるので、その時には投票に行きましょうってことです。
話は変わるが、本日は会計士の修了考査。
受験生は頑張ってください!