「全てが夢だったんじゃないか」
 
残ったものは何もなかった
 
2010年7月19日
父の一周忌
 
私には
もう
「父は確かに実在した」という実感がなく
 
ただひたすら退屈で
 
親戚一同がお膳を囲む中
黙って酒を飲み続け
意識を失い
 
目覚めたときには
父への墓参りは終わり親戚もみな帰っていた
 
 
誰も知らない
 
早朝4時
父の墓前で
私が一人
嗚咽をもらし
号泣していたことを
 
狂ったように
墓石をずらし
骨となった父と対面していたことを
 
 
白い粉
 
指の間から砂がこぼれ落ちるように
 
 
私が精神科の世話になるようになってから
 
かつて「友人」と呼んでいた人間との交流は途絶えた
 
 
数日後
 
唯一の親友からバーベキューに誘われ
 
そこでも私は
ただひたすら酒を飲み
1日で10回以上吐いてしまった
 
 
ただ苦しいだけならば
 
もう
いいじゃないか
 
その翌日に私は
大量の睡眠薬とアルコールを併用し
自殺を図った
 
それでも
意識は戻った
 
「大学生活を謳歌している最中の友人は、誰一人として私の死を知ることもなかったろうに」
 
そうして
ただ
仰向けになって天井だけを見ていた。