ごあいさつ 


御殿山生涯学習美術センターでは、2025年10月21日(火)〜11月30日(日)まで、玉本奈々展「きざはし」を開催いたしします。きざはしとは雅語で階段を意味し、今いる場所から丁寧に歩を刻み、高低差ある別の場所へといざなう段の連なりを意味する美しい言葉です。玉本奈々の25年の創作活動はこの言葉の通り、その過程を丁寧に歩んできたと言えます。今回の展示では、幾多の転機を「自然の成り行きがもたらしたもの」と語る玉本奈々の足跡と、これからの展望を展示します。 


作家は、幼少期に重度の弱視を患いながら独自の感性を育みました。「視覚」という感覚を研ぎ澄ます生活の中から得られた可能性は、視力回復に伴い大きく花開き始めます。高校時代、富山の高校と京都の美術研究所を両立して学んだ玉本は、次第に自身における表現方法としての在り方に自問し始めます。平面表現に限界を感じたことから油絵具を一旦排除し、当時「ファイバーアート」が全国で唯一存在した成安造形大学へ進学しました。大学時代には、祇園祭の花笠巡行における鉾の胴掛けを制作、十年にわたり使用されるなど、表現だけではなく、作品保存技術が優れていることも作品の特徴の一つです。他に類を見ないマチエール作品は、主にフランスで高く評価かれはじめ、国内外で多くの美術賞を受賞しています。また、著作家としても多くの本を執筆し、今回は絵本原画を併せて展示します。この機会に是非ごゆっくりとご観覧ください。 


今回の企画展示開催に関しまして、ご協力・ご指導とご尽力を賜りました皆様方に心から感謝申し上げます。 


2025年10月吉日 

御殿山生涯学習美術センター 


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