とても難しい問題です。「インスタ映え」という言葉まで登場した昨今、美しい写真が人の目を惹きつけることは間違いありません。ただ、人目につけばそれでいいのでしょうか?
美しい写真やイラストを使用することで、確かに検索広告やSNSタイムライン上での反応が高まる可能性は高まり、サイトへの誘導率も向上します。けれどもサイトアクセス数=サイトの成果と言えるでしょうか?
どんなに多くの方が訪れたとしても、掲載内容を見て問い合わせや申し込みなどの反応に繋がらない限り成果にはなりません。ただ人目につく美しい写真やイラストを多用しても、それらがお客様に訴求したい価値と行動喚起に繋がるものでなければ無意味な装飾で終わってしまいます。
かつては確かにそうだったが...
以前は「気になるサイトをブックマークしておいて後でじっくり読む」ということが一般的に行われていましたが、今ではそのような動きは急速に減少しています。それは、ネットでの情報収集のスタイルの変化によるものだと思われるのです。以前のようにパソコンを開いて情報を調べるということが減り、それに代わって通勤・通学などの移動中や昼休みなどの空いた時間にスマートフォンで簡単に調べることが広く定着しつつあります。その際に一番開かれる機会の多いメディアも以前のようなGoogle検索ではなくLINEやTwitter、facebookなどのSNSではないでしょうか? この変化は、その結果誘導されるホームページの読み方やその結果の行動にも大きな変化をもたらしています。
変化の1つ目はホームページ上での滞在時間です。移動中などの空き時間にモバイル端末で「サクッと調べる」というスタイルでは誘導された先のホームページも丁寧に読まれることが減ります。結果として「今知りたいことがありそうか?」を基準にして斜め読みする傾向が急速に高まっています。
2つ目の変化は、そのサイトに誘導されたきっかけがSNSのタイムラインの場合、元いたSNSの流れに早く戻りたいという心理も影響してより手早く眺めて次のメッセージを読もうとしがちになることです。スマートフォン上でのSNSの閲覧は流れるような動きが特徴であることも更にその傾向に拍車をかけます。
このようなことからソーシャルメディアが主役となった今のインターネットメディア世界では、「ホームページの掲載内容の価値と重さ」が以前よりずっと小さく軽くなっていると考えられるのです。もしそうだとしたら「成果を生み出すホームページ」には何が求められるのでしょうか?
ホームページの成果を上げるために必要な重大要素
成果を生み出すホームページを目指すなら、美しいだけの写真やイラストを使うだけでは効果は期待できません。求める情報や価値のきっかけやヒントがここにはあると訪問者が直感的に感じ取れるような「意味のあるビジュアル」と「それを補完し次の行動に繋がる印象的な言葉」の合わせ技が必要です。特に大切なのは「言葉のチカラ」です。
どんなに美しいビジュアルで人々の目を惹いたとしても、それが「その先にある意味のある有益な情報を予感させるもの」でなければ誰もその先を見てみようとは思わないはずです。そして読み進んだ先にはその期待に応える「直感的に価値を伝え有益だと感じてもらえるような言葉」がなければ成果に繋がる行動を引き出すことはできません。
「ホームページを訪れる人が何を期待して(予想して)訪れてくれるのか」を想定し、それを促進するような「意味のある写真やイラスト」で人の注意を惹き、「価値と利益を予感してもらえる言葉(文章)」を読みやすく分かりやすい構成で提供することが成果に繋がるのです。これを実現するためにはしっかりとした事前の検討と準備、構成の設計が欠かせません。
訪問者視点に立ったホームページを実現するために、訪問者が何を期待し求めているかを徹底的に検討し、デザイナーの感性のみに頼ったこれまでのデザインとは一線を画す「訪れる方の期待に共鳴するデザインとは何か?」を真剣かつ徹底的に考えなくてはいけない時代になったのではないかと考えています。