居間にいると、周りが揺れだし、あっという間に大揺れになった。
今までは揺れてるなと思ってもすぐに鎮静化するので、その場から動くことはないのだけど、
今回は違った。
揺れて揺れて、身の危険を初めて感じた。
息子を抱え、祖父母に声を掛けて外に出ようと玄関に向かう。
瓦が落ちてくるんじゃないか、電柱が倒れてくるんじゃないか、外に出ても怖い。
おまけに足元が若干弱くなってきた祖父が、揺れに揺れる玄関から出れずにヨロヨロしている。
「おじい早く!!」
息子を置いて助けに行くという頭はなく、家から少し離れた所から絶叫する。
なんとか自力でヨロヨロと避難できた。
家は左右にギシギシと目に見えて大きく揺れている。
潰れてしまうかも…と怖かった。
夜勤明けで寝室で寝ていた父が外に出てくる。
全員父がいたことを忘れて避難したが、それ位パニックで余裕がなかった。
少しずつ治まる揺れ。
また来るかもしれないから家から離れろ、と父が言い、道路を挟んだ水路の近くに移る。
また揺れだす。
水路の水がガパガパと水面を揺らす。
怖くて息子を抱えて少し泣く。
治まるまでは外にいたほうがいいとまたしても父が言い、寒いので車の中で暖をとる。
ラジオからは今の地震について放送していたが、内容は忘れてしまった。
ただ、明るくはっきりと話す女性アナウンサーの語りと、合間に流れる優しい音楽に心が落ち着いていくのが分かった。
